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戦後日本史と現代の課題

編者……天川晃 →→編者略歴と主要著訳書
    五十嵐武士 →→編者略歴と主要著訳書
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2900円 A5判 274頁 1996年12月発行

日本はこれからどこへ向かおうとするのか。
21世紀の世界の中でどんな役割を果たそうとしているのか。
「戦後日本」をその出発点にさかのぼって検証する。

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【主要目次】
第1章・戦後日本の出発
  1. 戦後史のとらえ方--日本とアジアのかかわりを通じて
    (日清戦争100年と戦後50年/アジアのドラマにおける日本/福沢諭吉の文明論から現代の開発論まで)

  2. 敗戦と国民意識
    (「玉音」放送への反応/占領軍への反応/「脱亜入米」と指導者責任論/「日本的民主主義」と「帝国意識」)

  3. フィリピンからみた日本の敗戦
    (国家関係の見取図/「日米の間のフィリピン」/日本からの解放の過程/勝利の中の敗北感/戦禍の遺産「旧植民地関係の復活?」/人民法廷)

  4. コメント
第2章・戦後思想と戦後社会
  1. 「近代主義」の登場
    (「近代主義」という言葉/世代的共通性/基準としての西洋近代/精神革命主張の背景/近代日本の批判/「近代主義」への批判の諸相)

  2. 日本国憲法の50年
    (普遍憲法原理と戦後改革/憲法反動と護憲運動/ニュー・レフトから市民活動へ/国家観念の崩壊と分権化・国際化/世界共通文化とパワー・ポリティクス/都市型社会と現代憲法課題/政治コンテキストと憲法テキスト/憲法学の再編が急務/憲法は国レベルの政治設計図)

  3. 「モノと女」の交渉史に読む戦後--問われる「解放」のゆくえ
    (なぜ、「モノと女」か/日常史のダイナミックス/パンスト、身体感覚を変える/「みせる」と「かくす」のバランス・シート/洗濯機、「戦後」の幕をひく/ライフスタイルの画一化すすむ/手帳、「自分さがし」の旅へ/「空白」という不安/「豊かさ」の光と影)

  4. 日本とアメリカ--2つの50年目
    (O.J.シンプソンとオウム真理教/「国際化」と多文化主義/いささかの歴史的考察/沖縄の「少女」暴行事件)

  5. コメント(日本とアメリカの戦争体験/田中絹代と後藤久美子/「二十四の瞳」から「八月の狂詩曲」へ)
第3章・戦後日本の政治と経済
  1. 戦後の日本外交(戦前の吉田と戦後の吉田/吉田と重光/吉田と岸)
  2. 戦後の日本政治(戦争の終わり方/戦後第一期としての占領期/戦前と戦後)
  3. 戦後の日本経済
    (「戦後日本経済」/戦後日本経済の達成:功/戦後日本経済の達成:罪/アメリカの貢献/たとえば、総合商社/日本の生産システム/システムの転換)

  4. コメント(植民地を失ったことの意味/日本人の対外観のゆがみ/所得倍増計画のベースとなった認識)
第4章・転換期の戦後日本
  1. 戦後日本外交と冷戦
    (はじめに/戦後初期の知的状況/「冷戦コンセンサス」とは何か/「冷戦コンセンサス」の動揺とその意味)

  2. 転換期の戦後アジアと日本
    (「日韓条約30周年」の迷走/内向きの「戦後50周年」/アジアの20世紀とナショナリズム/「戦後日本」の両義性)

  3. 転換期の日本政治システム
    (20世紀政治システムの特徴/20世紀政治システムの危機/日本型政治システム固有の危機--政党の無力さ/政党再編と官のリストラ/政党対立が不毛なわけ/第三極は可能か)

  4. 戦後日本の金融システム--銀行・政府・企業
    (はじめに/戦後日本の金融システムとメインバンク制/暗黙の協調融資/状態依存型企業統治/資金配分の効率性/銀行の統治構造/人的資本とレント/おわりに)

  5. コメント
    (国際政治への見方の変化/「普通の国」とは?/アジアと日本/日本の政治システムの将来/日本の金融システムのあり方)

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