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ILOリポート 世界の労働力移動

【書評再録】


●毎日新聞評(1998年3月1日号)=国境を越えた労働力移動の歴史、現状などを包括的に整理した書として海外で高く評価された本書によると、移動の理由は経済格差、人口の不均衡、開発による破壊など。移動にともなって受け入れ国の人口、雇用などにどう影響したか、などを分かりやすくまとめた。巻末のデータも充実し、この問題についての総合的視点を提供してくれる。

●エコノミスト評(1998年3月31日号)=国際労働機関から依頼された、ルポライターである著者の集めたエピソードが興味深い。鏡を見ているような気になるからだ。
「マレーシアの日本人コミュニティの人数は5000人を超えた」。日本のビジネスマンも立派な外国人労働者だったのだ。「二流の仕事に不満を抱く若い日本人女性が毎年一定数アメリカに旅立っている。自らを社会的難民と呼んでいる」。難民はすぐそばにいたのだ。

●世界の労働評(1998年7号)=歴史的にも、現代的にも多様で複雑な様相を呈する国際的な人の移動に関する膨大な文献・資料を駆使して、その原因・実態・さらに、問題解決の方向をも示唆した貴重な書である。
歴史分野でも現状部分でも、ほとんどすべての章の関連部分で日本の現状について触れられている。このことは、日本という国が、国際的な人の移動問題に密接不可分の関係にあることを示しており、本書の日本語訳のもつ意味は大きい。
内容に応じて、随時、適切な図や表が掲載されており、それらが本書の内容をより豊富化させている。ボーダレス化がますます進みつつある今日、多くの人が本書を一読されることを期待したい。
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