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結論を急がない人のための日本国憲法 【書評再録】 | |||
●有村かおり氏(週刊文春評)(1994年8月11・18日号)=読みとばしの得意な私が妙にじっくり読んだ本。タイトルだけで、困ったなあという方もいるかもしれないが、これは憲法解説の書なんぞではさらさらなくて、これは一種の日本人論だ。同世代の方にはちょっと読んでほしい一冊。
●愛媛新聞評(1994年4月26日)=「ちゃんと読んだことはないが、とにかく良いもの」と考えていたのが憲法だった。編集者のすすめもあり、「国の基本法について何も語ることを持っていない奇妙さ」を自分の中で解決しようと、真剣に読み始めた。しかし、意外なことに心の中に広がったのは、素晴らしいものと信じていた憲法に対する無意識の敵意であり、違和感だった。 条文を煩悩と同じ108回読み、参考文献にも当たった。そして憲法というアメリカ産の理屈に対して抱き始めた違和感、反発から「想像力をもって条文の持つ意味を点検する作業を終えた後に反感は消え、憲法を愛そうとし始めている自分」という心境に到達する。 ●出版ニュース評(1994年6月中旬号)=憲法を素晴らしいという本を読む度に何か違うという意識が生じるのはなぜか。この疑いを解くことに、全力を尽くそう。こうしてユニークなその解明のみちゆきが本になった。 ●日刊ゲンダイ評=敗戦直後の青空に浮かぶ「憲法」の文字をイメージする映画監督、新しい時代の象徴として戦後50年近くたった今でも憲法前文を常に携帯している元警察官僚、それら幾人ものインタビューを通して、とことん個人にこだわって、そこからもう一度、憲法を見直そうという本。 ●女性セブン評(1994年11月3日号)=憲法について考えることになり、著者は108煩悩にちなんで、日本国憲法の条文を108回読んだそうです。また関連書を100冊余買い込み、それらの本に刺激された助けられながら、憲法的普遍に対する自分の「敵意」の正体をつかまえようと悪戦苦闘しています。信頼できる書物です。 | |||
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