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日本全国化石採集の旅シリーズ

【書評再録】


●産経新聞「生活」欄=化石採集というと、大調査団が何年もかけて行う大掛かりなものというイメージが強いが、「恐竜など特殊なケースを除いては、ある程度場所の目星をつけていけば、見つけるのはそう難しいことでもない」と大八木和久さん。化石を求めて日本全国を回り、30余年間に6800点もの化石を採集した。
これまでの経験を書いた「日本全国化石採集の旅」を出版。書き残した部分や、あの話はどうなったのかという読者の反響があったため、今年春には続編も出した。

●京都新聞評(1999年2月9日)=大八木さんは30数年前から趣味で化石の採集をはじめ、現在の標本数は7300点を超えている。完結編は「日本全国化石採集の旅」と続編に続く第三段。
大八木さんが採集した化石のカラー写真を巻頭23ページにわたり掲載した。クリーニング前後の写真を並べ、化石の形が明らかになっていく様子を図説している。
また、ききゃく類の歯や土山町鮎河でほぼ完全な形で見つかったシャコ、多賀町権現谷で発見された三葉虫など、北海道や岩手県、宮崎県など49地域から産出した化石を紹介している。
独自に編み出したクリーニング法のほか、化石に対する思いや化石を展示している博物館なども載せている。

●中日新聞評(1994年9月17日)=化石に魅せられ、公務員の職を投げうち「自由人」となって5年目。40代半ばの男性が、化石との出会いから底無しの魅力までを、具体的な体験を交えて紹介している。喜々として採集旅行に出かける気分、思わぬ収穫の喜び、体験で感じた問題提起などが素直につづられており、一気に読み通せる。

●日刊ゲンダイ評(1994年9月2日)=著者は、化石に魅せられ日本全国を巡って採集に没頭。ついには勤めも辞め6000点に及ぶ第1級化石を採集するに至った。本書はそのつぶさな体験記。どんな困難もいとわず現場へ飛ぶ著者の、化石採集の喜びとその極意におのずと触れることができる。採集の準備から標本づくりまでの懇切丁寧なノウハウ、日本全国863ヶ所に及ぶ化石産地一覧、展示施設紹介など、付録・資料が特に充実。

●子供の科学評(1996年9月号)=この本は、日本全国をまたにかけた化石採集記です。著者の豊富な体験を交えた化石採集物語は、つきることのない話題で一気に読ませてしまいます。しかも著者の実体験からにじみでた自然観などがそれとなく折り込まれていて、楽しく読みすすめながらもいろいろと教えられることが多い本です。
両編とも美しいカラー口絵がつけられている上に、正編では化石の採集や整理の方法、全国の化石産地一覧、化石の見られる博物館が、続編では化石に関連する天然記念物一覧などが巻末付録にあり、化石を勉強したい人たちへの親切な配慮がなされているのもうれしいことです。

●赤旗評(1994年8月16日)=小学校でキラキラ光る方解石に魅せられて以来、鉱物から化石へと興味がすすみ、とうとう公務員を中途退職。全国をかけめぐる発見の喜びと化石の魅力を語っています。
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