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40代からの脳と体のバランス健康法

【内容紹介】本書「まえがき」より


 確実にやってくる21世紀の高齢化社会をどう生きるか。
 世界が変わり日本が変わって行く中で、誰もが新しい生き方をしなければならない。そうしなければ豊かな日本は生まれない。すでに半世紀以上も生き抜いてきた老人にも新しい生き方が求められている。
 老人の誰もが健康に幸せに暮らすことはむずかしい。個々の老人の生活の歴史、環境が違っているので、個々の老人が考えて、自分なりの生き方をしなければならない。
 本書は、老人が健康に幸せに暮らすには、身体と精神、およびそれをつないでいる脳の働きを、健全にする必要があるという考えを説いたものである。最近わかってきた脳科学の成果と健康体育などの健康科学の成果とを、健康に生きている筆者自身の体験を混ぜ合わせて、述べたものである。
 半世紀も生きてくれば、誰しも身体にも脳にもおかしい時があって当然である。病気がありながらも、異常がありながらも健康に生きるにはどうしたらよいかも考えている。私の考えは、本書のタイトルにある「バランス健康法」にそれを表わしている。
 人間が少年期、青年期を過ぎて、身体と精神そして脳も働きのピークの時期がやってくるのは、壮年、中年、熟年、中高年、実年、初老や老年の時期であろう。これらの時期がどの年齢層をさすかは、はっきりしていない。
 熟年とはある作家が1980年代頃から使いだした言葉で、50歳前後をあらわすのに用いられたが、最近は用いられなくなった。中高年はよく使われているが、45〜65歳の人をさすと辞書には書いてある。実年とは働き盛りの50〜60歳代を表現するのに厚生省が公募して決めた。これも最近は使われない。
 これらの言葉は、暦年齢をさして使われるのではなく、老人の働きをも意味する言葉として使われる。だから暦年齢がはっきりしない上、使われ方にはやりすたりがある。
 老年とは、辞書によって定義が違っていて、60歳以上の人、70歳以上の人、60歳中期から70歳代以上の人といろいろに使われる。広い意味に解すれば、50歳以上を意味している。とはいっても、何歳から老人というかは時代とともに変わるはずである。本書では、50歳以上で身体と精神や脳の働きがピークを過ぎた年齢層を意味している。
 身体と精神や脳の働きのピークが50歳以前にあるとするのが一般的である。細胞や細胞集団の働きがピークを過ぎて老化を起こすからである。最近、老化のメカニズム研究は進んでいるが、まだ現在の研究段階では、その予防も治療もできない。
 できるのは、身体と精神や脳をうまく使うことで、ピークの時期を老年期にもってくることである。それは、老化の進みを遅くすることであるといってもよい。
 本書はそのために、何をしたらよいか、何をしてはいけないかを説いた。健康に幸せに暮らすための処方せんは、人によって違っている。一人として同じものはない。したがって自分で処方せんを書いて、それに従わなければならない。そして誰もが創造的な生き方を実行すべきであろう。
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