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房総の古代史をさぐる

【内容紹介】本書「おわりに」より


 埋蔵文化財の発掘調査は間断なくつづけられ、新発見をもたらせています。その新資料の追加によって、つねに歴史は書きかえられ、またあたらしいナゾも生まれてきます。そのナゾ解きはつねに行なわれ、発掘をとおして大きく研究も前進しています。
 とくに最近の発掘調査には、ヒトの存在をつよく意識させる発見が多いのも特徴です。みなさん方の関心や興味は生々しい現実をはなれて、古代のロマンを追っているようにみえますが、じつは長い人類史の中で、自分自身の影絵をみつめるようなものではないかと思われます。ヒトはつねにその影を背負って生き、明日へのあゆみをたしかな方向にすすめようと考えているのです。
 1の房総の古代史を学ぶは総論で、房総の研究史と概説とをこころみました。2の旧石器時代は、世界史の中からしだいに房総史の原点にピントをあわせる手法がとられています。3の縄文時代は、房総の貝塚文化を中心に説きおこしています。4の弥生時代は、日本の中の房総を、5の古墳時代は、だんだんに地域的特徴をあきらかにしつつあった房総の実体にそって、話をすすめています。6は、古代寺院の特性を中央の諸寺院との関係を重んじながら房総の寺院にいたる立場で、政治、思想的な観点から概説しています。7は房総の遺跡というテーマで最近の成果を紹介しています。
 それぞれの専門を生かした問題設定でしたので、おおむね理解されたと思います。またさらに深く知りたい方や追求して研究したい方々のために、巻末に参考文献をのせましたので、どうぞ利用してください。
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