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和竿づくりの本

【内容紹介】●本書「はじめに」より


 竹と漆でつくった釣竿を和竿といいます。
「和竿づくりは難しい」と考えられていますが、実際につくり始めますとおもしろく、楽しいものです。
 しかし、竿をつくる手順がなかなかわかりにくく、またつくり方を解説した本も少ないことから、どのようにしたら和竿ができるか思い悩んでしまうのが実態です。
 そこで、なんとかこの手順を書き出して、少しでも多くの方に和竿づくりを手がけていただきたいとの思いから、この本を書くことにしました。
 竿をつくる工程のなかで、「竹の選び」や、竹を火にかけてまっすぐにする「火入れ」の作業は、経験を積み重ねながら上手になっていく作業で、確かに難しいものです。しかし、実際に手がけてみると、プロ並とはいえないものの結構うまくできるものです。そのほかの工程も、順序立ててコツコツ作業を進めれば、きっと満足できる竿がつくれるようになりましょう。
 この和竿づくりは、分業がないだけに、自分独自のペースと感性が活き、進めば進むほど止めどもなく奥の深さが感じられ、この奥の深さに一つ一つ触れることで、日々楽しさが湧き出てきます。
 ぜひ、和竿づくりを始めることをおすすめします。
 この本では、用語にふり仮名をつけ、用具の内容をやさしく説明するとともに、工程も順序立てて、素人でも竿づくりがわかるようにしてあります。もっとも、竿師にはいろいろの作風があって、この本と異なるつくり方もありますが、あくまでも標準的なつくり方を目標として書いています。
 ゆっくりと、心もゆったりと、竿づくりのひとときをお楽しみください。
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