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本が生まれるまで

著者……小尾俊人 →→著者略歴と主要著訳書
2400円 ●2刷 四六判 288頁 1994年8月発行

みすず書房を創業し、数多くの本を世に送り出してきた著者が、本づくりの基本的な姿勢や技術など、出版という職業にかかわるあらゆる事柄について、自らの体験と事実を重ねて、わかりやすく熱意をこめて語る。
「タイムズの書体の変化」の写真や「瀧口修造の『マルセル・デュシャン語録(私家版)』の本文組み」のような読者の理解を視覚的に助けてくれる図版や、「夏目漱石『吾輩は猫である』」の初版本や「フランスの挿絵入り豪華限定本であるマラルメの詩集『半獣神の午後』」など、それ自体が大変に貴重な図版など、約40点を収録した。

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【主要目次】
第1章 実例---現代史資料「ゾルゲ事件」が本になるまで
  1. 一官吏の書類綴
  2. 本文吟味の過程
  3. 本文の読まれ方--機能と変化
    (思想を犯罪とするための手段/「冷戦」の増幅手段としてのゾルゲ事件/知的遺産としてのゾルゲ事件)

第2章 出版の自由と「国」
  1. D.H.ロレンス「チャタレー夫人の恋人」の場合(1957)
  2. 「日本人の海外活動に関する歴史的調査」の場合(1973)
  3. 「写真家マン・レイ」の場合(1982)
  4. 政府の「情報公開」の実態
第3章 図書館
  1. 中田邦造の図書館思想
  2. 三宅坂の昔と今
  1. 中井正一とマックリーシュ
  2. 図書館と編集者
第4章 本屋街
  1. マーケットの形成と起爆力
  1. 「原書店」の場合
第5章 印刷所
  1. 精興社
  2. 理想社印刷所
  3. 読書人階級(リーディング・パブリック)
  1. 半七写真印刷工業
  2. 栗田印刷
第6章 校正(付・翻訳)
第7章 企画
第8章 エージェント
第9章 造本装幀
  1. 本の風土性
  2. 本とは何だろうか
  3. 装幀の現場の実例
  4. タイポグラフィ
  5. グラフィック・デザイナー
  6. 瀧口修造先生と私
  1. 造本要素としての紙
  2. 紙の発明と進化
  3. 西方ルート--手漉きから機械漉きへ
  4. インディア・ペーパー
  5. 配色について
第10章 広告
第11章 職業としての出版
第12章 読む本・見る本・聴く本
  1. 活字印刷の昨日と今日
  2. 「見る」本
  1. 「聴く」本
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