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妻の言い分・夫の言い分

【書評再録】


●読売新聞評(1994年10月3日)=手紙の中から、夫婦の関係を考える手がかりが見つかるかもしれません。

●熊本日日新聞評(1994年10月31日)=新婚から結婚30年以上まで、34組の夫婦の往復書簡集である。夫や妻の職業もサラリーマン、医師、テニスプレーヤー、歌舞伎俳優などさまざま。ユーモアたっぷり、時に辛らつなパートナーの声に、手紙を通して向き合うという企画だ。
若いカップルの手紙は、ほのぼのとしたラブレターの趣がある。夫婦が歳月を重ねるにしたがって、お互いの主張や理解が確固たるものになっている様子が面白い。短い手紙の中に、それぞれの夫婦の歴史とスタイルがほの見えてくる。

●北海道新聞「おんな・おとこ」欄(1994年8月30日)=“手紙本”がブームになっているが、このほど34組の夫婦がお互いに書いた手紙が「妻の言い分・夫の言い分」として刊行された。同じ題名の本は1955年にも出版されていた。この中でただ一組、新旧の本の双方に執筆しているのが札幌在住の北大名誉教授・八木健三さん、信子さん夫妻。40年近い間を置き“言い分”はどう変遷したのだろうか……。旧版に収められた八木さん夫妻の手紙は新版にも再録されている。

●マタニティ評(1994年11月号)=結婚したばかりの新婚さんから、金婚式を迎えるようなベテラン夫婦まで、この本には34組みの夫婦が、それぞれの相手につづった手紙が掲載されています。夫婦とは実におもしろい人間関係です。お互いを理解しようとしながら、決して十分に理解しえない。これは、結婚のキャリアがあろうがなかろうが同じこと。でも、根底には、ちゃんと相手と向き合って「寄り添って生きる」「寄り添って老いる」ステキな夫婦像が見えます。

●教育新聞評(1994年9月8日)=今年は国際家族年ということもあり、家族のあり方が見直されてきているが、家族の基本は“他人同士”である夫婦であり、その全く異なる人間同士が、どうにかやっていくところに、夫婦関係の醍醐味があるのだろう。
本書は、そうした男性と女性が、自分を見つめ、相手との関係性を改めて文字で綴っているものであり、見知らぬカップルでありながら、読む側を魅き込むパワーを持っている。社会の一番小さな単位である夫婦のあり方を問い直すのに最適な一冊。

●ほんコミュニケート評(1995年1月号)=思いが伝わっているようで以外に伝わっていないことも夫婦の間にはけっこうあるのかもしれない。この本を読んでいると、たまに夫婦の間で手紙を交換し、思いを伝えあい、考えあうのもなかなかにいいものだと思う。読者にとっても、1人2〜3ページの短文から、その夫婦の関係やありよう、さらには各人の個性や生き方までもイメージが伝わってきておもしろい。
それにしても夫婦ってそれぞれなんだなぁ、と思う。ここには新婚カップルから金婚式を迎えたカップルまで34組みの夫婦が登場する。障害をもつ夫と結婚した妻、他国の妻と結婚した夫、海外生活をする夫婦、単身赴任で別居生活をしている夫婦、子どものいない夫婦、夫婦別姓で暮らす夫婦……。それに、演劇界の松本幸四郎・藤間紀子、プロテニスプレーヤーの福井烈・裕子、共に映画製作者である羽田澄子・工藤充といった有名人夫妻もいる。それぞれの夫と妻がそれぞれの時空の中で織ってきた織物を垣間見るようなおもしろさがこの本にはある。
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