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風の言葉を伝えて=ネイティブ・アメリカンの女たち

【書評再録】


●ソトコト(2002年11月号)評=7世代先の子孫に豊かな地球を残すという信念を持つ、彼女たちの英知に、崩壊寸前の地球を救うkeyが隠されているのかもしれない。

●日本経済新聞評(1998年2月15日)=大地との調和を重んじる文化を太古から築いてきたアメリカ大陸先住民。本書はその社会を支えた女性に哲学や生き方をインタビューした。
紹介するのは14人の女性。人生節目の儀式などに部族ごとの特徴があるが、彼女たちに共通するのはたくましさだ。大地と動物は聖なる輪で一つにつながり人間もその一部に過ぎない、と信じる。

●東京新聞評(1997年10月2日)=現代を生きる14人のネイティブ・アメリカン女性自らが語るライフ・ストーリーを紹介し、彼女たちの生きる世界を垣間見せてくれる。
芸術家、活動家、母親、祖母、治癒者、教育者。多様な役割を担う彼女たちの生き方は人間として、地球人としての道を示しているように思えてならない。

●週刊金曜日評(1998年10月2日号)=編者ジェーン・キャッツが出会ったネイティブ女性が語る、彼女たち個人の人生物語そのものである。これまで多くの場合、研究者やメディアによって伝えられてきた姿は、よそ者が求める“ステレオタイプのインディアン像”であり、実体からかけ離れ大きく歪められ続けてきたといっても過言ではないだろう。編者は、インタビューの最終稿に彼女たち自身のチェックと承認を得ている。このことは重要かつ注目すべきことだろう。
本書に登場するさまざまな部族のさまざまな立場の一見普通の女たち、その等身大の率直さの背景に、重要なテーマがたくさん散りばめられている。伝統文化の継承であったり、変化する世界への順応やアイデンティティであったり、慎重に生きることであったりするそのテーマは、私たち自身への問いかけでもあることに気づく。
本書のキーワードは“等身大の女たち”という、おそらくこれまであまり試みられていないアプローチだろう。一人ひとりの人生物語に耳を傾けると、はてしなく続くいぶし銀のような奥深い光を感じさせてくれる。生命をつなぐ存在としての謙虚な責任感は、彼女たちに共通した哲学もしくは世界観だろうか。複雑かつ矛盾に満ちた現実にあっても、その堂々たる生命観の上にある彼女たちの多様な人生のすべてがいかにインディアンであるかを見せつつ、読者自身にもその内なるものへ心の目を向かわせる。奥行きある読書の醍醐味を味わっていただきたい。

●週刊朝日評(1998年5月1日号)=14人の先住民女性へのインタビュー集。アーティスト、詩人、活動家など、さまざまな職業の「あまり有名ではない」人々の物語は、先住民への無知と偏見を大きく転換させる。

●教育新聞評(1998年2月23日)=本書に登場する彼女たちの言葉はたくましく、自然に対して謙虚である。そして、その思いを子供たちにもちゃんと伝えている。
「私たちには新しい命を運び、育てる力があります。これは母なる大地の持つ力です。子供たちを良い人間に育てれば、彼らには未来があります。それは大企業の社長になることよりも大切なことです。子供を愛に満ちた、誠実で、思慮深い人間に育てること以上に重要なことはないのです」など、現代日本人が耳を傾けるべき言葉も多い。
登場する14人は、それぞれ自分を語りながら、時間や地域を超えて普遍の哲学を語ってくれている。

●出版ニュース評(1998年3月下旬号)=子どもの頃のことや両親のこと、自分たちの部族のことや伝統社会と現代社会をまたいで生きていくことの意味などが語られている。所属する部族は違っていても、だれもが部族の伝統や祖先の声に耳を傾け、大地に根ざす哲学に支えられて生きることの素晴らしさを縦横に語っている。
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