書誌情報・目次のページへ 内容紹介のページへ 読者の声のページへ
[新]文明のなかの未開 レリックの世界

【書評再録】


●信濃毎日新聞評(1998年5月24日)=古生物学者であり社会のあり方、文明について積極的に発言してきた著者たちが、生物学的な「生きた化石」の話から、人間社会や心の中の「生きた化石」の話まで、豊富な話題をベースに、軽妙な文章で、しかしするどく、人間の意識の底にある「生きた化石」をえぐり出している。
考えるべき材料や課題の提示が随所にあり、思考をやわらかくするのに役立つ。

●北海道新聞評(1998年6月23日)=生物進化の問題を「生きている化石(レリック)」によって解明しようと試みた、非常にユニークな文明論集だ。

●日本経済新聞評(1998年3月22日)=レリックの例から人間社会を考察している。
カモノハシやシーラカンスの逸話から、ニューギニアのパプア民族の金歯や裸の習慣の解説までテーマは多彩。日本人には親孝行というレリックも残るという。将来、家族もレリックとならない保証があるかと問われるとドキッとする。

●日本地質学会News評(1998年8月号)=本書は読みやすく、話題性に富み、深い内容のある良書であり、地質学・古生物学の関係者ばかりでなく、広い諸分野の方々も読まれて、本書が提示している問題をみんなで深めていくことを期待する。

●化石評(1998年7月号)=本書は古生物学者の立場からの文明批評であって、特に人間社会に見られる「生きている化石(レリック)」現象に焦点を絞った議論が展開されている。わかりやすく、ユーモラスな語り口で説かれ、さらに本文中の随所にある注釈と巻末の付表が理解を助けてくれる。
人文・自然いずれにも向く教養書といえる。

●子どもの科学評(1998年7月号)=本書は、自然界から人間界までの問題を、一貫してレリックの観点からながめたユニークな内容になっています。巻末のレリック植物と動物の一覧表は充実していて、よい参考資料になるでしょう。
なお、姉妹編として「新・人体の矛盾」と「新・ヒトの解剖」も出ているので、あわせてご覧になることをおすすめします。

●考古学研究評(1998年12月号)=世界第二の経済大国と言われながらも、その社会や住む人々の心は、封建的な道徳や制度をまとったシャーマニズムに強固なまでに支配されている点、改めて我々も思い返してみる必要があろう。そうした意味で、日本とは、まさに本書の題名が端的に示すように「文明のなかの未開」社会なのかもしれない。

●経済評(1998年7月号)=読者はよみすすむうちに、自分の歴史観や歴史に対する常識を見直す機会になっていることに気付かされます。雪男の正体、バイカル湖のアザラシ、シーラカンスの浮袋、思い出のパプア島、神々の誕生、社会の細胞、義理の親孝行など、数々の具体例が示され、飽きることなく、一気に読了してしまいます。
面白く読みかつ考えながら、史的唯物論の生命力を実感する人も多いはずです。
トップページへ