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東京湾シリーズ
東京湾の生物誌

【書評再録】


●赤旗評(1997年4月28日)=本書は「東京湾の地形・地質と水」「東京湾の汚染と災害」「東京湾の歴史」に続くシリーズ第4弾で、東京湾の水域と陸域の生物群集がこの間の埋め立てと富栄養化、さらには湾岸の都市化・工業化によってどう変遷したのかを克明に記載したものである。
第一部の東京湾の地形・底質・水質、プランクトン、底生動物、水産生物、海藻と海草、帰化動物から、第二部の湾岸の植物、コケ、動物、鳥類、昆虫、腐肉小動物、土壌動物、空中微生物まで、まさに生物圏を網羅しているのが本書ならではの特徴である。
陸域の環境修復についても味わい深い指摘をしている。多少の重複や散漫もあるが、記載は具体的でわかりやすく、図表も適切である。文献も豊富で資料的価値もある。「東京湾が抱える問題を検討する際の拠り所」という編者の意図はおおむね達成されている。
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