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東京湾シリーズ 東京湾の歴史 【書評再録】 | |||
●朝日新聞評(1993年11月25日)=歴史・民俗に詳しい16人が調査・研究した成果。 東京湾の水土に関連した普通の人たちの日常的な文化史の取りまとめ。 魚介、塩、干潟の効用、漁業、江戸前の信仰、湾の防備、埋め立て、風景画などを豊富なデータで紹介している。 また、博物誌として、川崎大師、大森貝塚、第五福竜丸、船橋灯明台などの解説がある。 ●歴史読本評=東京湾の歴史を知る格好の書。 ●歴史と旅評(1994年3月号)=本書は、東京湾がどのような効用を人びとにもたらしたか、江戸前がどのように形成されていったかを述べ、つづいて東京湾と呼ばれるようになった近代以後の歴史が語られる。ペリー来航以後築かれた海堡が東京湾の風景と役割を大きく変え、埋め立てによってみなと横浜が誕生した。湾の大きな変貌は数多くの文学にも描かれて、その描述を通して、横浜を中心とする東京湾のありし日のひとこまを垣間見ることができる。地域学としての東京湾学構想への新たな試みの書である。 ●出版ニュース評(1994年1月上旬号)=江戸前の形成と風景、地理と景観、海苔の生産と流通、信仰伝承から沿岸の水界民の生活までを描写することにより、東京湾で繰り広げられた歴史を総体的にとらえようとする。 地域学としての東京湾学に新たな地平を切り開く。 ●東京人評(1994年2月号)=東京湾と人間の共生の歴史を水上とそこに住む人びとの生活史に光を当てることで総体的に解明しようとしたものである。 ●海員評(1994年7月号)=「東京湾シリーズ」として東京湾の人間と自然のおりなす文化に光を当てる出版の第二冊。 「江戸前」と呼ばれて、江戸社会とのかかわりの中でとらえられてきた東京湾について、まず「東京湾の効用」を多角的に分析する。呼称と意識、漁具、塩、海道、干潟などの“発見史”という切り口も興味深い。 ついで「江戸前の形成と生活史」「東京湾の生活と光景史」との章をたてて東京湾をめぐって繰り広げられてきた人々の生活と文化の歴史が、驚くほどの多彩さで述べられている。 水辺の生活を営む「水界民」の人々の暮らしや、流通をになう舟運にも新たな研究成果が記されるが、特に「地理と景観」とか「江戸前の風景画」「光景史」という言葉や視点が、新鮮な環境学的意識に裏打ちされて、歴史の中に位置づけられる意義は大きい。観天望気などの伝承も示唆に富む。 ●赤旗評(1993年12月27日)=「東京湾とはなにかを問うこと」を目標にしてとりくまれた地域学としての東京湾学。東京湾総体の歴史を対象にしています。 東京湾の海苔の生産と流通や地名と生活、民謡や文学など、東京湾と人びとのかかわりを歴史的にあきらかにしています。巻末資料「東京湾周辺の遺跡文献」は貴重です。 | |||
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