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仁和寺本写 黄帝内経太素 付蕭延平本

【内容紹介】本書「凡例」より


 「仁和寺本」の模写は、東洋医学研究会刊「東洋医学善本叢書」所収の仁和寺本「黄帝内経太素」を底本にしたものである。
 底本がモノクロによる関係上、筆跡と虫損の判別が困難な箇所もあり、仁和寺本の転写による幕末抄本(台湾国立中央図書館所蔵)の複写や、蕭延平本によって補筆したところも若干はあるが、できるだけ底本を忠実に写すべく努めた。
 傍注・欄外注も判読可能な限り模写してあるが、若干の不明瞭さは免れない。
 付の「蕭延平本」は、蘭陵堂刊(中華民国・1924)「黄帝内経太素」を縮印したものである。
 仁和寺本「黄帝内経太素」の存在が中国で知られたのは、明治17年、駐日清国大使随行員の楊守敬が日本よりその影鈔本を持ち帰ってからである。同郷湖北の蕭延平は、武昌医館の柯逢時より柯氏の手校本を得、当時すでに刊行されていた袁仲節刊本や、他の伝鈔本と校勘し、校訂本を作製した。これが「蕭延平本」と呼ばれるもので、割注中に「平按」とある部分が蕭延平の校語である。蕭延平本には若干の誤謬が散見されるが、現伝仁和寺本の爛壊を補う資料となる。
 既刊の「意釈黄帝内経太素」の章句番号と、「仁和寺本」写本・付の「蕭延平本」の章句番号を照合すれば、ただちに各々の章句を対比研究することができる。
 「仁和寺本」写本と付の「蕭延平本」とを対比すると、伝写等による古典の変化を理解する一助となる。
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