書誌情報・目次のページへ 書評再録のページへ 読者の声のページへ
無党派革命
千葉が変われば日本が変わる

【内容紹介】●本書「はじめに」より


 座右の銘は何かと聞かれると、私は決まって「未知への挑戦」と答える。私が最初に書いた本は「南極にいどむ---アムンゼンとスコットの物語」という絵本である。
 50代になってもチベットの奥地に出かけるほどの冒険好きだったが、まさか60も半ばを越えてから、千葉県知事選に挑むなどという大きな冒険をするとは夢にも思っていなかった。この知事選は私の人生最大の冒険であり挑戦であったことは間違いない。
 登山に限らず冒険は、どこまでも周到に準備したうえで挑戦するものである。冒険の本質は決して「無謀」ではない。計算しつくされた挑戦が、本来の冒険というものだ。
 その意味で言うと、この知事選は決して「冒険」ではなかった。それどころか無謀そのもの。探検家としてはやるべきではない決断と言える。しかし、政治家には探検家とは別の尺度や判断がある。私には日本を変えるには地方からやるしかないという確信があった。
 千葉の知事選はまったく先が見えなかったが、「あなたしかいない」と請われ続ければ、このチャンスを政治家として逃すわけにもいかない。思いがつのり、ついに私は計算も準備もないまま飛び込んだ。だが、ときとして無謀な挑戦にも運命の女神が微笑むことがある。今回の千葉知事選というのは、そんな幸運なケースだったようにも思う。
 もしかしたら、計算のないことが武器だったのかもしれない。計算がないからこそ、既成の枠にとらわれず、どこまでも波が広がる可能性を秘めていた。そして、一人ひとりの市民が抱えていた思いが爆発し、市民型選挙の渦が幾重にも巻き起こったのだ。
 それにしても、なぜ68歳にしてこんな冒険に挑むはめになったのだろう?
 普通の市民が政治を変えようと燃え、知事を自分たちの手でつくるという冒険に挑戦している。そのことに私は共感し、突き動かされてしまったのだ。そうした衝動には年齢など関係ない。
 この本は、自らの手で知事をつくり、日本の政治を変えたいと私をかつぎ出した千葉県民と、それをサポートした全国の市民、そして無謀さを承知でそれに応えた私の、波瀾万丈の挑戦の記録である。今や市民が主体で政治をつくっていこうという渦は、私の目に見えるところからはるか遠くまで広がっている。
 その渦をいろいろな形で起こし、体験し、走った一人として、私はこの希有の記録をきちんと残したいと思った。次に続く人たちの、新たな挑戦の道しるべになってくれればという期待をこめて。
トップページへ