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産地別 日本の化石800選 本でみる化石博物館

【内容紹介】●本書「あとがき」より


 化石は過去と現在とをつなぐ唯一の掛け橋です。この世にもし化石というものが存在しなかったら、地球の歴史や生命の歴史というものは全く解明されなかったでしょう。3億年前に海底を三葉虫が這い回っていたとか、1億年前に恐竜が君臨していたことなど知るよしもなかったでしょう。
 化石というものは、ただ美しいだけではなく、それだけ重要な情報を私たちに与えてくれるのです。もちろん、美しいということも人々の興味を引き、重要な役割を果たしています。この博物館はそんな化石をより身近なものにするためにつくられたものです。
 私の長年の夢は自分の博物館を持つことです。今までに自分の手で採集した約7500点の化石を一堂に展示して、多くの人に見ていただきたいと思っています。夢がかなえばさぞ壮観でしょう。
 でも、個人で博物館をつくるなど、なかなか簡単には実現できません。
 そこで、この夢を実現させるための第一歩として、まず、本の中で博物館をつくってみようと思ったのです。まるで化石の博物館を見ているような、そんな写真集をつくってみようと思ったのです。
 そしてここに、その本が出来上がりました。
 今までのような学術的なことばかりに主眼をおいた難しい本ではなく、もっと理解しやすく、感動しやすいようにいろいろな工夫を取り入れています。
 化石が、
  どのようなところで
  どのような石から
  どのような状況ででてくるのか
 順を追って皆さんに見ていただこうと思いました。
 そして、
  どうやって見つけたらいいのか
  どうやって採集するのか
  どうやってクリーニングすればいいのか
 多くの手助けができるようにしました。
 この博物館には832点の化石を展示していますが、これだけの標本を一同に見られるのも他の博物館ではそうないでしょう。その意味から日本有数の化石博物館ができたと思っています。
 初心者から上級者まで、この博物館をフィールドにおけるアシスタントとして、皆さんが活用されることを望みます。
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