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フィールドガイド日本の火山2 関東・甲信越の火山2 【内容紹介】●本書「はじめに」より | ||||||
本書では、関東・甲信越地域の活動的火山のうち、新潟焼山、北八ケ岳、富士、箱根、東伊豆、伊豆大島、新島、三宅島の各火山を紹介します。 新潟焼山は、日本海にほど近く、本書で取り上げた火山では最北端に位置しています。江戸時代には火砕流を噴出したこともあり、また最近にも小規模な噴火をおこなって、3人の登山者が命を落としています。 北八ヶ岳は、本州中央部に位置する規模の大きな八ヶ岳火山群のうち最新期のもので、現在では森林と池塘を抱く、美しい山域を構成しています。 富士山は、いわずと知れた日本列島の最高峰であり、平安時代には青木ヶ原溶岩をはじめとして、大量の溶岩をしきりと流出させ、また最近4500年間も噴火をくりかえしてきた、きわめて活動的な大型の玄武岩質成層火山です。宝永年間には、現在の宝永火口から大規模なプリニー式噴火をおこない、当時の江戸市中に大量の火山灰を降らせました。現在は静穏で、夏季などにはおおくの登山客でにぎわっていますが、いつ噴火してもおかしくない火山なのです。 箱根は、長く複雑な形成史をもつ大型のカルデラ火山で、ほとんどすべての火山地形を観察することができます。現在でも中央火口丘の大涌谷ではさかんな火山ガスの噴気活動があり、今なお生きている火山です。 伊豆半島周辺地域は、1980年代からきわめて活動的であり、地震や噴火をくりかえしてきました。東伊豆単成火山群では、伊東周辺で火山性の群発地震が頻発するとともに、1989年には伊東沖で海底火山の噴火がありました。 伊豆大島では、1986年に1950〜51年以来の大噴火が生じ、割れ目噴火や玄武岩質溶岩の流出がみられました。 三宅島では、1983年には1962年以来の大噴火がおこり、割れ目噴火によって玄武岩質溶岩の流出がみられました。 新島と隣接する神津島は、爆発的な噴火をおこなう流紋岩質の火山です。最近の噴火はありませんが、9世紀のほぼ同じ時期に爆発的な大噴火をおこなった危険な火山です。 姉妹編の関東・甲信越1では、おもに北関東地方の活動的な火山を取り上げていますが、同時に「露頭観察の手引き」や「関東・甲信越地方の火山概説」などが載せてあります。ぜひ、本書とあわせてご覧ください。
本書の構成
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