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生きている化石

【内容紹介】●本書「はじめに」より


 みなさんは学校で、生物のことはかなりくわしく勉強したでしょうが、大むかしの生物のことは、あまりくわしく習わなかった、と思います。
 動物や植物を勉強する学問を生物学といいますが、大むかしの生物を研究する学問は古生物学とよんで区別して、それぞれ研究にあたる学者もちがっています。そして、生物学者はいま生きている生物の研究はしますが、大むかしの生物の化石については、あまり興味をしめしません。いっぽう、古生物学者は化石の研究はしますが、いま生きている動物や植物をじかに研究することはほとんどありません。
 でも、私たちはいま生きている生物と化石を区別しません。なぜなら、いま生きている生物も、大むかしに生きていた生物(古生物)から進化してきたものですし、古生物がなんらかの形で残ったものが化石だからです。
 ですから、生物のほんとうの姿、つまり生物の進化を知るためには、どうしても化石を調べなければなりません。ところが、いま生きている生物のなかにも、大むかしの生物の姿や生活のようすを、そのまま残しているものがあります。これが“生きている化石”とよばれるものです。
 こんなわけで、私たちはいま生きている生物も化石も、どちらも大好きですし、両方を研究しています。そのため、動物園や植物園へ“生きている化石”の見学にもでかけます。
 この本を読んだみなさんが、動物や植物、それに化石について、いままでとはちがった見方や興味をもっていただければ、私たちはたいへんしあわせです。
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