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日曜の地学8 茨城の自然をたずねて

【内容紹介】●本書「まえがき」より


 私は常磐線ぞいの小さな町牛久に住んでいます。初夏のある日、東京育ちの小学生が遊びにきて、言いました「ここの空気は変なにおいがするね」それは、土と植物のにおいだったのです。
 私たちは、毎日、勉強や会社の仕事に追われ、いつのまにか自分たちのまわりにたくさん自然があることを忘れがちです。でも、電車やバスから降りた時や夕暮れの帰宅途中で、ふと自然を身近に感じることがあるでしょう。そして、時には、時間をとって山や川に出かけようと思うこともあるでしょう。こんな気持ちをいつまでも大切にしてほしいと思います。
 この頃は環境問題について話を聞かない日は1日もないといってもよいでしょう。地球環境を守り、私たちの子どもや孫に豊かな自然を残してあげるよう努力することはほんとうに大切なことです。でも世の中のはやりにのって、「環境」という看板をかかげてはいても、逆にそれが環境破壊のカモフラージュであったりすることもまかりとおっています。
 にせものにだまされずに環境問題をよりよく知るためには、自分の足で歩いたり、目で見たりして、自らの体験をとおして自然を知ることが絶対に必要です。でも、こんなにかたひじはっていたのでは、野や山に出かけるまえに疲れてしまいます。なにはともあれ、まずは自然のなかに飛び込んで、自然を楽しんでしまいましょう。この本は、そんな時、ささやかなガイド役をつとめます。
日曜の地学8 茨城の自然をたずねて

【内容紹介】●本書「あとがき」より


 ここ10数年間の地球科学の進歩にはめざましいものがあります。旧版出版時に常識であったような考え方も、今では通用しないものもあります。新しい考えを積極的に取り入れるつもりで、全面的に調査をしなおしました。新しい学問の雰囲気のいったんが伝えられれば幸いです。
 また、最近の私たちの大きな関心事は、地球環境問題です。グローバルな地球環境問題については、マスコミをつうじてさまざまな知識を得ることができます。しかし、グローバルな視点をもちながら、身近な環境問題を考えることが、もっと重要なことです。このような考えから、この本の企画にあたって、大幅に生物分野の解説を取り入れることにしました。生物の生活の土台である大地の自然と生物そのものを総合的にとらえたいという願いをこめて、この本をつくりました。
 この本で扱われている内容は、おもに茨城県内の小・中・高校の先生方や大学の研究者みずからが、ふだんから集めていた資料をもとにしています。一般の読者の方にとっても新鮮な内容であるとともに、教材としてもユニークであると信じています。
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