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マリファナの科学 【書評再録】 | ||
●朝日新聞 2003年7月20日 新妻昭夫氏 評 科学啓蒙書として、これほどていねいに、しかも慎重に書かれた本は、たぶん他に例がないかもしれない。 ●毎日ライフ (2003年11月号) 宮沢康朗氏 評 (前略)著者は英国上院委員会の大麻問題顧問。 大麻をめぐる各国の歴史、現状、脳における働き、研究成果等を整理。 他の麻薬と比較しつつ医療用薬剤としての効用、利用法、弊害対策などを論じている。 英国では現在大規模な臨床試験が進行している。 ●からだの科学 2004年1月号 廣中直行氏(専修大学文学部心理学科教授)評 日本の大麻事犯検挙者のうち約60%が20代である。大麻乱用はまず若者の問題だといえる。若者たちにはそれほど罪悪感はない。 大麻は危険ではなく、一時の酩酊を楽しむ嗜好品としていずれ解禁されるのではないかという声があるからだ。そうなったときに、いま検挙された人びとは勇敢な先駆者だったといわれるのだろうか。 本書はこのような問題に、薬理学の立場で正面からアプローチした 本である。 (中略) ヨーロッパでは薬物の乱用を厳しく取り締まることはもう無理だと考え、 薬物使用に禁を犯すことの快感を上乗せするよりも、せめて害の少ない使い方を勧める「ハーム・リダクション」の考え方が広まりつつある。 それを日本に適用すべきか。 ここに薬理学だけでは解けない問題がある。 人びとがどんな態度でマリファナに接するかが重要なのである。 本書に書かれているように、欧米でマリファナ使用が流行し始めたきっかけはベトナム戦争であった。若い人びとがマリファナに魅せられる社会は、はたして良い社会なのだろうか。 これは私たち一人ひとりが考えなければならない課題である。本書はそのための格好の材料を提供している。 | ||
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