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ぼくが肉を食べないわけ

【内容紹介】●本書「まえがき……リンダ・マッカートニー」より


 「肉を食べるのはやめよう」と、何年も言い続けている人たちがいる。残酷だから、というだけではなく、実は何の意味もないからというわけである。
 伝統的な肉食の習慣にどっぷりと浸かった人々は、道徳論は気にしないといい、そのような論議に耳も貸さないが、これは全く不運としか言いようがない。しかし、そういった多くの人たちも無視することのできないことを、ピーターがこの本で主張しているのは注目される。これを無視できるのは、自分の健康、いや生命そのものがどうなってもよいという人であろう。彼の結論は、肉を食べている人にとって衝撃的である。少しは良いことがあるだろうと思って肉を食べている人は、そのあと一口の肉を飲み込む前に、その肉が心臓病、高血圧、ガンなどにどのように結びついているかという事実を知らねばならない。
 この本は、あなたの生活を変え、生命を救う。私が、あなたの生活と生命がどのようになることを希望しているかは、おわかりだろう。
ぼくが肉を食べないわけ

【内容紹介】●本書「訳者あとがき」より


 あなたがこの本を手にした理由はいろいろあると思う。全く偶然かもしれない。漠然とあるいは明確に肉を食べることの不安、不条理さに気づいている場合もあろう。反対に、肉を食べることのどこが悪いのか、という人もあろう。いずれにせよ、関心が強いということはいえそうだし、それはごく当然のことだと思う。そういった人たちのもつ疑問をこの本は明解に解いてみせている。特に、クールー、スクレイピー、狂牛病、クロイツフェルト・ヤコブ病についての記述は圧巻である。これらはプリオン病といわれ、人類が今までに全く知らなかった病原体による病気である。
 生産コスト引き下げのために、ハンバーガー1個につき熱帯雨林500キログラムが犠牲になるというのも衝撃的である。それが地球温暖化の原因にもなり、一方では未知の病原体の出現をも促すというのでは、それほどまでにして手にする牛肉とはいったい何なのかと思わざるをえない。今や大きな話題にもならない病原性大腸菌O−157、日本の食中毒の原因第一位になったサルモネラ菌など、もとはといえば肉食由来菌といってよい。
 進歩と思われた人類の営みが、新たなそして致命的な弊害を次々に引き起こしている。世界史上有名な哲学者、科学者などの文化人がいずれもベジタリアンであるというのも故なしとしない。人にとって肉にしか含まれない有用な成分は何一つない。問題は、肉の美味しさ、あるいは美味しいものと教えられてそれを信じてしまったことにある。さらに、性差別の遠因が肉食にあることも見逃せない。この現状をこのままさらに進めていくのか、あるいはどこかで転換させるのか、それが、人類もしくは個々人が生き延びていくための試練と思える。
途上国の飢餓問題、環境汚染・破壊問題を含め、食、農、医、薬に関係する人はむろん、一般の方たちにも是非考えていただきたいと思う。肉を食べるのはやめるべきだ、とすべてが方向を示していると思うのだが。
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