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日曜の地学14 沖縄の島じまをめぐって

【内容紹介】●本書「まえがき」より


 九州の南に連なる琉球列島は、種子島から与那国島まで1000km余にわたり、100余の島じまからなります。その南半分が、沖縄県の島じまです。
 亜熱帯に位置する沖縄県の島じまは、エメラルドグリーンのサンゴ礁の海にふちどられ、真夏の太陽のもとに輝く砂浜はまばゆいばかりに白く、ぬけるような青い空とともに南国特有の自然をつくっています。
 これらの島じまの美しい自然を見て歩くだけで、けっこう楽しいことですが、島じまがどのように生まれ、どのような過程を経て現在にいたったのか、その歴史がわかるともっと楽しみがわくと思います。
 私たちは以前に、沖縄の自然のようすについて「沖縄の自然---その生いたちを訪ねて」(平凡社)というかたちで世に紹介しました。それ以後も島の自然についての知識はふえ、島じまの生い立ちについてもいろいろなことが明らかになってきています。そこで、島じまの自然やその生い立ちに興味をもっている人たちのために、島じまの自然観察めぐりの案内書としてまとめたのがこの本です。
 島じまの自然のなかでも、主に地質についてくわしく述べました。それから、洞穴を調査している方、それに島の動植物を研究している方々の協力も得て、その面での自然の紹介にも力を入れました。これらのことから、島じまの自然について総合的にその姿をつかんでほしいと思います。
 また、多くの島じまからなる沖縄県の特徴を生かし、できるだけ多くの島について紹介しました。そのため、島じまの説明についていくらか内容的に重複する部分があるかもしれません。しかし、沖縄の自然を具体的に見ていく場合のことを考え、あえてそのまま掲載することにしました。
 島じまの自然とその生い立ちについて、これからもまだまだ解明していかなければならないことがたくさんあります。しかし、そのためには、せまい陸上だけの調査研究だけでは十分ではありません。これからは、周囲の広い海の底の研究も必要となってくることでしょう。そして、ますます琉球列島の生い立ちが明らかにされていくことと思います。この本の読者の中から、一人でも多く、島じまの自然とその生い立ちについて調べてみたいという人が出てくることを願っています。
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