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日曜の地学13 静岡の自然をたずねて

【内容紹介】●本書「まえがき」より


 私たちのすむ大地のことについて、私たちはどれほど知っているでしょうか。大地は、私たちはもちろん植物や動物のすむ場所でもあり、自然環境の基礎をつくっているところです。
 地面の下や山のなかがどのようになっていて、どのような歴史のなかでそれがつくられてきたのでしょうか。大地の開発や改造、防災や環境保全などの人間の活動を、もし大地の構成や歴史を知らずにおこなえば、人間は将来に大きな損失を負うことになるでしょう。
 本書は、私たちがこれまでにおこなってきた日曜地学ハイキングの資料をもとに構成しました。内容については、静岡県の自然の概説にあたる第1章「静岡県の自然」と、各地域での地質や自然観察の説明にあたる第2章「自然観察コース」の2章だてとしました。
これまで出版された本のなかに、静岡県の自然について簡単に説明されたものがあまりないことから、本書では「静岡県の自然」の章を充実させました。
 本書をお読みいただければ、静岡県がどんなに自然に恵まれているところかが、理解していただけると思います。本書を利用して、多くの方が地質や自然に親しみ、静岡の自然のすばらしさを自分のものにしていただければ幸いです。
 現在、自然環境については、地球規模の環境破壊が話題になっていますが、身のまわりの自然と人間とのかかわりも知らずに、地球全体の自然を議論することはできないと考えます。私たちのできることは、まず身のまわりの自然を知り、その自然と人間とのかかわりの歴史を探り、そして、それぞれの地域の自然環境が将来どうあるべきかを考えていくことではないでしょうか。
 私たちは、年に5〜6回の日曜地学ハイキングやセミナーなどを行っています。このような機会は、いろいろな人といっしょに実際に地層や化石にふれたり、地形などを見ることによって、静岡県の自然のおいたちを知ろうというものです。興味のある方はぜひ参加してみてください。
日曜の地学13 静岡の自然をたずねて

【内容紹介】●本書「あとがき」より


 私たちをとりまく社会の動きや、その結果としての自然の姿は、この20年の間に大きく変化しました。そしてさらに、自然を改造するスピードも年々速まっています。市街地付近の山々は削られ、田んぼは埋められ平地に変わり、川にはコンクリート水路や砂防ダムが築かれ、以前には川や池にいた魚やカニの姿が見られなくなり、森林や山の畑は荒れて、井戸水は涸れ、地下水は汚染されはじめました。
 静岡県は、人間が生活していくための恵まれた自然がどこよりも豊かなところだと思います。その恵まれた自然という財産があったからこそ、豊かな生活が今まで支えられていたと思います。この豊かな自然の恵みは、どこにでもあるものではないということを、私たちは十分に知っているでしょうか。私たちはもう一度、自分たちの住んでいる静岡県の自然とそのおいたちを十分に理解する必要があると思います。そして、自然の恵みをきちんと利用して、次の世代に受け継いでいきたいと思います。
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