![]() | マイケリーン・ドゥクレフ[著] 谷田美尾+吉田新一郎[訳] 2,500円+税 四六判並製 390頁予定 2025年7月刊行予定 ISBN978-4-8067-1688-4 子どもの自力を自然と育み、親子関係をハッピーにしてくれる育児術 癇癪持ちの娘の育児に行き詰まった、科学者でありジャーナリストでもあるマイケリーン・ドゥクレフ博士。 いま主流の育児法に疑問を抱くようになった彼女は、 娘を連れてマヤ族やイヌイット族などの伝統的な子育て文化を訪ね歩き、 怒鳴らず・押しつけず・信頼と協力に満ちた育児の知恵に出会います。 そこで見つけたのは、親も子も心地よく過ごせる"シンプルでポジティブな子育て"。 子どもを管理しすぎず、自然に自立を促すヒントが満載の子育て術とは。 現代の育児にモヤモヤし、自信をなくしている親にこそ届いてほしい一冊です。 |
マイケリーン・ドゥクレフ(Michaeleen Doucleff)
NPRのサイエンス・デスクのグローバル・ヘルス特派員。
カリフォルニア大学バークレー校で化学の博士号、
カリフォルニア大学デービス校でブドウ栽培とワイン醸造学の修士号、
カリフォルニア工科大学で生物学の学士号を取得。
2015年、西アフリカのエボラ出血熱の流行に関する報道で
ジョージ・フォスター・ピーボディ賞を受賞したチームの一員でもある。
著書にニューヨークタイムズのベストセラー『Hunt, Gather, Parent』がある。
夫、娘、ジャーマン・シェパードのサバンナとともにサンフランシスコ在住。
谷田美尾(たにだ・みお)
広島県出身。公立高校の外国語科(英語)教諭。
現在、生徒全員をフルネームで呼ぶことができ、
一人ひとりの生徒が好きなことを知っていると言えるくらい小さな高校に勤務。
コントロールを手放し、生徒が自立と協力を身につけることを目標にしている。
訳書に『一人ひとりを大切にする学校――生徒・教師・保護者・地域がつくる学びの場』(築地書館)、
『みんな羽ばたいて――生徒中心の学びのエッセンス』(新評論)がある。
吉田新一郎(よしだ・しんいちろう)
もともとの専門は都市計画。
国際協力にかかわったことから教育に関心をもち、1989年に国際理解教育センターを設立。
参加型のワークショップで教員研修をすることで、教え方を含めて学校が多くの問題を抱えていることを知る。
それらの問題を解決・改善するために、
「PLC 便り」「WW/RW 便り」「SEL 便り」「ギヴァーの会」の4つのブログを通して本や情報を提供している。
現在5つめのブログ「コーチング便り」(仮称)を準備中。
趣味は、嫌がられない程度のおせっかいと土曜日の農作業。
本書に関する質問・問い合わせは、pro.workshop@gmail.com まで。
プロローグ
癇癪(かんしゃく)癇癪癇癪
マヤの人々の温かさに満ちた子育てスタイル
狩猟採集民の子育てから見えてきた育児のヒント
普遍的な子育てのアプローチを学び、育児のイライラを断ち切る
助け合いの精神をもったマヤの人々
この本から学べること
SECTION1 奇妙でワイルドな西欧諸国
第1章 世界で最もWEIRD(奇妙)な親たち
叫び声などないマヤの母親たちの子育て
人間の脳に起きる錯覚
錯覚に騙されにくい狩猟民たち
今日の子育てに関する情報は正しいのか
核家族は母親と父親だけに育児の責任がのしかかる
〔コラム〕なぜ私は、こんなWEIRDな親なのか?
第2章 なぜ私たちはこんな子育てをするのか?
主流の育児方法は伝統的な知識に基づいているのか
1つ目の習慣 いろんなおもちゃを山積みに
2つ目の習慣 学びの祭典(学びの楽しさを追求する場や活動)
3つ目の習慣 ほめて、ほめて、さらにほめまくる
〔コラム〕でもちょっと待って! 科学は子育ての仕方を教えてくれないの?
SECTION2 マヤ・メソッド
第3章 世界で最も助けになる子どもたち
自発的に家族を支えるチャン・カハアルの子どもたち
子どもたちの心にある「貢献したい気持ち」
第4章 自発的に家事をやるよう子どもにどう教える?
「アコメディード」を学ぶことが自発的に家事をする心を育む
STEP@ トドラーズ・インク(幼児株式会社)を大切にする
幼児は立派な家事アシスタント!
試してみる@ お手伝いの訓練
お手伝いを促すときのポイント
第5章 柔軟で協力的な子どもを育てる方法
マヤの母親は朝、4人の子どもをどう送り出す?
助け合うマヤ一家
STEPA 子どもたちにチームの会員証を渡す
大人の世界に子どもを迎え入れる
「貢献できている」気持ちがモチベーションに
試してみるA 協力のスキルを身につけさせる
TEAM01 共に過ごすためのより効果的な方法
親子関係の土台をなす四つの核「TEAM」とは?
子どもを助け、助けてもらう関係
子どもは置かれた環境で自然と学ぶ
第6章 動機づけの達人―ほめるより効果的なものは?
子どもの「手伝いたい」気持ちを最大限尊重する
STEPB 子どもの貢献を承認する
子どもは共同パートナー!
試してみるB 子どもをやる気にさせる方法を学ぶ
SECTION3 イヌイットの感情知性(EQ)
第7章 怒らずに生きる
北極圏の厳しい環境下で文化を育むイヌイット
イヌイットは感情を爆発させない
子どもの癇癪に対峙しない
みんなで助け合いながら子どもを育てていく
子どもの実行機能が育まれる環境
第8章 子どもに怒りをコントロールする方法を教える
子どもの失敗を怒らないイヌイットの人たち
怒鳴ることで余計に子どもは言うことを聞かなくなる
第9章 子どもを怒らないようにする方法
怒りを使わず子どもに伝える方法とは
STEP@ 話すのをやめる
STEPA 子どもに対する怒りを減らす、あるいはまったくもたないようにする
TEAM02 励ます、決して強制しない
コントロールせず、子どもを「励ます」
試してみるC 子どもに対する怒りを減らす方法を学ぶ
第10章 子育てに役立つツールの紹介
子どもの健やかな成長に役立つ3つのツール
1 癇癪を抑えるためのツール
2 毎日子どもがする不適切な行動に対処する方法
試してみるD 言葉なしで、しつけをする
第11章 物語の力を借りる―行動を形成するためのツール
感情が高ぶっているタイミングで教えても伝わらない
物語を通して子どもに伝える
試してみるE 物語でしつけを教える
第12章 ドラマ―行動を形成するためのツール
イヌイットの伝統を守るバフィン島
子どもが落ち着いたタイミングで再現して見せる
試してみるF ドラマを使ったしつけ
SECTION4 ハッザベの健康
第13章 古代の先祖はどのように子育てをしていたのか?
幼少期から狩りを覚える
私たちの祖先・狩猟採集民が教えてくれる子育ての知恵
相互に尊敬し合いながら家族で支え合う
第14章 世界で最も自信にあふれた子どもたち
ハッザベの少女が自然と見せた心優しい姿
つけられたあだ名に込められたメッセージ
TEAM03 不安とストレスへの古代の対処法
自由気ままに過ごすハッザベの子どもたち
学ぼうとする子どもを邪魔しない
指示をしすぎることの弊害
周りの人たちへの責任
見えないセイフティー・ネット(安全網)
試してみるG 自信と自立を育む
第15章 うつ病への古代の対処法
孤立感から産後うつ病に
類人猿の頃から子どもが自立するまでは時間がかかった
アロペアレントと共に子どもを育てる文化
相互扶助が心身の健康に重要な要素
試してみるH 家族のために感情的な支えを構築する(そして自分自身に休息を与える)
SECTION5 西洋の子育て2.0
TEAM04 西洋の親たちのための新しい世界観
マクロとミクロの視点から見たTEAM子育て
第16章 夜、寝ること
狩猟採集民は寝かしつけをしない?
現代人は「正しい」睡眠にとらわれすぎ?
寝かしつけはコントロールが裏目に出る
子どもの体内時計に委ねる
エピローグ
訳者あとがき
癇癪(かんしゃく)癇癪癇癪
母親としてどん底に落ちた瞬間を覚えています。寒い12月の朝5時のことでした。私は昨日と同じセーターを着て寝ていました。髪はもう何日も洗っていません。
外では空が濃い青になりかけており、街灯が光っていました。家の中は不気味なほど静かでした。聞こえるのは、ジャーマン・シェパードのマンゴーがベッドの下で呼吸する音だけでした。
私は戦いに備えていました。次に敵と遭遇したらどう対処するか頭の中で考えていました。また攻撃されたらどうする? 殴られたら? 蹴られたら? それとも噛まれたら?
自分の娘を「敵」と呼ぶのはひどいことのように聞こえます。私は娘を心の底から愛しています。ロージーは頭の回転も速く、とても勇敢で肉体的にも精神的にも強さを備えた娘です。遊び場で転んだとしても、すぐに立ち上がります。手間もかからず、面倒なこともしない、娘は本当に素晴らしい子なのです。
そして、私は娘の匂いも大好きです。特に頭のてっぺんの匂いが。私は仕事で取材旅行に行くと、あの子の、蜂蜜とユリと湿った土が混ざったような匂いがすぐに恋しくなります。ただ、その甘い香りは人を惹きつけ惑わせます。
ロージーの心の中には激しい炎が燃えており、その炎に駆り立てられて、猛烈な勢いで世界へ突き進みます。友人の言葉を借りれば、彼女は「世界の破壊者」です。
ロージーは赤ちゃんの頃、よく泣いていました。毎晩何時間も泣くので、不安を感じた夫が「食べたり寝たりしている以外は泣いている」と小児科医に訴えたほどです。医師は肩をすくめて(何度もいろいろな親たちから訴えられてきたのでしょう)「まあ、赤ちゃんですから」と答えただけでした。
ロージーは3歳になり、泣き声は癇癪と「親への暴力(Parental abuse by children)」の嵐へと変わります。癇癪を起こしたロージーを私が抱き上げると、彼女は私の顔を平手打ちすることがよくあり、おかげで頬に赤い手形をつけたまま家を出る朝もありました。
あの、静かな12月の朝、私はベッドに横たわったまま、辛い現実を突きつけられていました。ロージーと私の間に壁が築かれていたのです。私は、あの子と一緒にいる時間が恐怖になりつつありました。私が(また)怒ってしまうのではないか、(また)ロージーを泣かせてしまうのではないか、(また)彼女の行動をさらに悪化させるのではないか、と。そしてその結果、ロージーと私が敵対関係になるのではないかと恐れていたのです。
私は怒りに満ちた家庭で育ちました。大声で叫んだり、ドアをバタンと乱暴に閉めたり、靴を放り投げたりすることが、両親、3人のきょうだい(Siblingの訳です)、そして私にとっては当たり前のコミュニケーションの手段でした。
ですから、ロージーの癇癪に対して、初めのうちは、私の両親が私にしたのと同じように、怒ったり、厳しくしたり、時には大声で恐ろしい言葉を使いましたが、このやり方は裏目に出るだけでした。ロージーは床に転がって、金切り声をあげながら反り返っていました。私は両親よりもうまくやりたかったのです。ロージーにはおだやかな環境で育ってほしかったし、ドクター・マーチンの靴を誰かの頭に投げつけるよりも生産的なコミュニケーションの方法を教えてあげたいと思っていました。
そこで私は、何でも答えてくれるグーグル先生に相談し、「権威的」な子育てがロージーの癇癪を抑えるのに「最適な子育て方法」だと判断しました。私が理解する限りでは、権威的であるとは「毅然としていると同時に、優しい」ことです。だから私は、全力を尽くしてそうしました。しかし、「権威的」アプローチはまったく歯が立ちませんでした。ロージーは私がまだ怒っているのがわかると、行動を悪化させました。それに対して、私はさらに怒りました。そしてしまいには、ロージーの癇癪は核兵器のように激しくなるのです。ロージーは噛みつき、家具をひっくり返し、家中走り回りました。私たちは結局、同じ悪循環に陥ってしまいました。
マヤの人々の温かさに満ちた子育てスタイル
朝の保育園の準備のような極めて簡単なことでさえ、死闘に変わりました。「お願いだから靴を履いてくれない?」と私が5回も懇願したあと、彼女は「ヤダ!」と叫び、服を投げ捨てました。
ある朝、私はとても気分が悪くなり、台所にしゃがみこんで、棚に向かって心の中で叫びました。なぜこんなに苦労するのだろう? なぜ彼女は聞いてくれないのだろう? 私の何が間違っているのだろう?
正直に言うと、私はロージーをどう扱えばよいのかまったくわかりませんでした。彼女の癇癪を止める方法もわかりませんでしたし、ましてや彼女に善良な人間、つまり親切で、優しく、思いやりのある人になる方法を教え始めることもできなかったのです。
私はよい母親になる方法も知りませんでした。思い通りにいかないことで、こんなに辛い思いをしたのも、よい関わり方をしたいのに、現実のスキルに大きなギャップがあることを認識したのも、初めてです。
そして、長年待ち望んでいた最愛の娘が目を覚ます瞬間を恐れ、怒り狂って手の付けられない小さな人間と関わる方法を何日も一人で探していました。この混乱から抜け出す方法を探していたのです。
私は途方に暮れ、疲れ果て、絶望を感じていました。これから先、彼女の背や力がどんどん成長していっても、お互い変わらずに戦いを続けている姿しか想像できなくなかったのです。
しかし、実際にそうはなりませんでした。この本には、私たちの人生に予期せぬ大きな変化が起こった経緯について書いています。それが始まったのは、メキシコのマヤの人々が住む地域への旅行のときのこと。そこでの体験が、世界のさまざまな場所へロージーと一緒に旅をすることにつながったのです。行く先々で、私は素晴らしい母親や父親に出会い、子育てに関する驚くべき知識をたくさん学びました。彼らは、ロージーの癇癪を抑える方法だけでなく、私が怒鳴ったり、小言を言ったり、罰したりせずに彼女とコミュニケーションをとる方法も教えてくれました。それは、親との緊張や対立を生むのではなく、子どもの自信を高める方法です。そして、私や家族、友達に対してロージーが優しく寛大になるように教える方法を私が学んだことが、おそらく最も重要なことでした。それが実現できたのは、訪問先の母親や父親が子どもに対してまったく新しい形で優しさや愛情を示す方法を教えてくれたからなのです。
(後略)
最近、SNS上で「#母親やめたい」という投稿をよく見かけます。気になって一つひとつ読んでみると、投稿しているのは中高生の子どもをもつお母さんが多いようです。子どもも夫もまったく家事を手伝わない。毎朝、早起きして弁当を作り、家のことを片付け、自分も仕事に行き、疲れて帰宅する。思春期の子どもたちは、親の言うことを聞かず、スマホから顔を上げない。自分が家族の世話をするのは当たり前で、感謝されないどころか、ケチをつけられ、悪態をつかれることもある。自分だけが時間とエネルギーを削って頑張っていているのに、まったく報われない。そんなお母さんたちの多くが、「私の育て方が悪かったのだろうか」と自問しています。もしかすると、子どものためを思って、子ども中心の活動を計画し、管理し、指示を出し続けてきたのかもしれません。しかし、そのコントロールに子どもが反発し、関係がこじれてしまったという側面もあるのでしょう。
本書の著者であるマイケリーン・ドゥクレフさんも娘のロージーの子育てに最初は苦戦していました。
もし、彼女がヘリコプター・ペアレンティング(371ページ〜管理的な子育て)を続けていたら、ロージーの癇癪は何とかやり過ごしたとしても、数年後にはきっと「#母親やめたい」とつぶやくお母さんたちと同じような状況に陥っていたかもしれません。
一方で、SNSでは「叱らない子育て」や「自由放任の子育て」に対する不満や意見もよく目にします。
パン屋で自由に歩き回ることを許された好奇心旺盛な幼児。売り物のパンに触れてしまったときに、その母親が子どもの顔色を窺いながら「お店の人に怒られるよ」と声かけをする。電車の中で騒いでいる子どもたちの隣には、スマホに夢中でまったく注意もしない親。「親が公共の場で子どもをあまりに自由にさせていて、きちんと叱らないのはおかしいのではないか」という意見です。もし「叱らない子育て」という言葉に違和感を覚えるなら、親ではなく子どもが状況をコントロールしているフリーレンジ・ペアレンティング(371ページ〜自由放任の子育て)に対する違和感だと言えます。
本書のTEAM子育ては、これまで親子関係を根深く支配してきた「コントロール」の構造に気づかせてくれました。この「相手をコントロールしたい」という欲求は、なにも親子関係に限られた話ではありません。学校現場でも、生徒をいかにコントロールするかが重視されすぎてきたように思います。
私自身、約20年間、学級担任や教科担任として、生徒の成長を願いながら、学校で働いてきました。自分の意見をもち、他者の考えに耳を傾け、自分で考え行動できる人になってほしい。そんな思いから、生徒の主体性を引き出そうと、本書の第2章の三つの習慣(51〜59ページ)さながら、教室にあらゆる教具を持ち込み、さまざまな活動を用意し、授業では生徒が失敗しないように先回りして指示を出し、活動状況を監視し、小さなことも見逃さず大げさにほめたたえ、不適切な言動に対しては口うるさく注意してきました。けれどもその結果、私の思いとは裏腹に、生徒の主体性は育たず、生徒は反発し、私自身も疲れ果て、お互い思うようにならない状況に嫌気がさしてしまうこともありました。本書を読みながら、当時の苦々しい記憶がよみがえり、「私が生徒たちをコントロールしようとしていて、生徒はその支配に抵抗していただけだったのか」と気づき、愕然としました。教室で、成長につながらない無駄な「権力争い」を繰り広げていたのです。
そして、本書は私が長年囚われてきたコントロールを手放すことの大切さを教えてくれました。その代わりに、「共に過ごすこと、励ますこと、自立、最小限の干渉」(TEAM子育ての四本の柱)というまったく別の視点を中心に据えることによって、子どもとよりよい関係を築き、自分も相手も成長できる、そんな可能性を示しています。とはいえ、マイケリーンさんが苦労したように、長年の習慣や社会通念に逆らって、コントロールを手放すのは簡単ではありません。他人の目が気になって、子どもをほめたり、叱ったり、しつけをしていることをアピールしたくなる場面もあります。また、苛立ちや怒りなど、沸き起こる自分の感情やそれに伴う言動を抑えることもすぐにできるものではありません。
だからこそ、本書で紹介されている世界各地のスーパーママやスーパーパパたちのアプローチを、自分の生活の中で可能な形で取り入れてみることをおすすめします。コントロールを手放すことによって、常に何か言わなければならないというプレッシャーから解放され、心の余裕が生まれます。そして、そのおだやかなまなざしの先に、子どもが本来もっている「役に立ちたい」「誰かを助けたい」という優しさが見えてくるはずです。家庭や学校が、叱らない、ほめない、コントロールしないことで、子どもたちの内にある優しさが存分に発揮される場になることを心から願っています。
(後略)
谷田美尾