| 曳地トシ+曳地義治[著] 2,400円+税 A5判並製 200頁 2025年4月刊行 ISBN978-4-8067-1681-5 無農薬・無化学肥料で庭づくりをしてきた植木屋さんが、 長年の経験と観察をもとにあみだした 農薬を使わない虫対策のコツを豊富な虫の写真とともに紹介。 ●庭の虫たちは、どんなところに、なぜ発生するのか、何を食べているのか ●ほうっておいていい虫なのか、気をつけたほうがいいのか ●庭にいてほしくない場合はどうしたらいいのか オーガニックな庭づくりをするには、虫を知ることがいちばんの近道だ。 虫たちの名前や生態を知り、どう対処すべきか判断できるようになれば、 庭づくりがもっとおもしろくなる! 自然農薬のつくり方・使い方、オーガニックガーデナーのためのマメ知識も掲載。 17年前に刊行した旧版を全面改版、オールカラーで出版。 ますますパワーアップした、虫とのつきあい方のコツを教えます! |
曳地トシ(ひきち・とし)
1958年、神奈川県真鶴町生まれ。
植木屋のおかみ業にあきたらず、「高いところ・泥汚れ・虫」が3大苦にもかかわらず、無謀にも現場に出て現在にいたる。
無農薬で植木屋を続けるためには、苦手な虫たちのことを知るしかないと、調べたり、観察するうちに虫のおもしろさのとりこになり、
ついにはこの本を書くまでに。そしてますます庭仕事のほんとうの愉しさにはまっている。
曳地義治(ひきち・よしはる)
1956 年、東京都立川市生まれ。子どものころは暇さえあれば、鉛筆で広告の裏に絵を描いていた。
昔からデザイン関係の仕事に関心をもっていたが、木工業、ログビルダーなどを経て、植木職人およびガーデンデザイナーとなる。
日本生態系保護協会・ビオトープ施工管理士2級。土木施工管理士2級。
ひきちガーデンサービス
夫婦ふたりで、個人庭を専門に、農薬や化学肥料を使わない庭の管理や、本物の素材を活かし、
安全で使いやすい庭、バリアフリーガーデン、自然の恵みを利用した循環型の庭づくりなどを地域のなかで提案・実践している。
2005年、「NPO 法人日本オーガニック・ガーデン協会(JOGA)」(joga-garden.jp)を設立。代表理事と理事を務める。
庭からの環境保護という考えを広めていくため、オーガニックスプレー(自然農薬)のつくり方や庭の小さな生態系の大切さを伝えようと、
講演会の講師を務めたり、雑誌や新聞などに記事を執筆したりしている。
おもな著書に『オーガニック植木屋の剪定術』『オーガニック植木屋の庭づくり』『雑草と楽しむ庭づくり』(以上、築地書館)などがある。v
hikichigarden.com
はじめに
虫は庭のこんなところにいる!
色や形から虫の名前を探そう
本書の使い方
基礎編
私たちの考えるオーガニックガーデンについて
紹介しました。無農薬で庭づくりをするために
知っておきたい基礎編です。
オーガニックガーデンとは
オーガニックガーデンと生態系
庭の虫たちから見る自然
用語の解説
虫の食害への対処法
オーガニックスプレー(自然農薬)のつくり方・使い方
オーガニックスプレーをつくる前に
ニンニク木酢液
ニンニクごま油剤
コンポストティー
酢
草木灰
海藻エキス
スギナスプレー
アセビスプレー
コーヒー
ドクダミのマルチ
使用をやめたいニコチンスプレー
植物を使った対処法
雑草
コンパニオンプランツ(共生植物)
バンカープランツ(おとり植物)
虫編
庭でよく見る虫を中心に、発生する場所、時期、何を食べるのか、対処法などを紹介しました。
庭木や草花に虫がいてもあわてずに、まずはどんな虫かを知ってください。
姿かたちにぎょっとしても、せっせとアブラムシを食べてくれるけなげなヤツかもしれませんよ。
虫を食べる虫・土をつくる虫
ナミテントウ
ナナホシテントウ
ムーアシロホシテントウ
キイロテントウ
クモガタテントウ
コクロヒメテントウ
ヒメカメノコテントウ
ベダリアテントウ
オオニジュウヤホシテントウ
アカホシテントウ
ヒメアカホシテントウ
カメノコテントウ
ムネアカオオクロテントウ
ヒラタアブ
シオヤアブ
クサカゲロウ
アシナガバチ
スズメバチ
狩りバチ類
ハナバチ類
寄生バチ
そのほかのハチ
ヤマトシリアゲ
クモ類
アリ
シロアリ
ヤスデ
ダンゴムシ
ワラジムシ
ゲジ
ムカデ
アオバアリガタハネカクシ
コウガイビル
カマキリ
センチコガネ
オオヒラタシデムシ
爬虫類・両生類
アズマヒキガエル
ヒガシニホンアマガエル
鳥
植物を食べる虫
アブラムシ
カイガラムシ
チャドクガ
イラガ類
アメリカシロヒトリ
ナミアゲハ
クロアゲハ
キアゲハ
ツマグロヒョウモン
モンシロチョウ
モンクロシャチホコ
ツゲノメイガ
シャクトリムシ(シャクガ類)
ヨトウムシ(ヨトウガ類)
ミノムシ(ミノガ類)
オオスカシバ
アオバハゴロモ
ツマグロオオヨコバイ
カミキリムシ
ルリカミキリ
クビアカツヤカミキリ
オリーブアナアキゾウムシ
カメムシ
キマダラカメムシ
ヘリグロテントウノミハムシ
カタツムリ
ナメクジ
アワフキムシ
ルリチュウレンジ
そのほかのハバチ
バラにつく虫
ツツジグンバイ
ハマキムシ(ハマキガ類)
サンゴジュハムシ
コガネムシ・カナブン・ハナムグリ
きれいな虫・不思議な虫
コラム
オーガニックガーデナーのための虫のマメ知識やはみだし情報です。
住宅地における農薬使用について
虫を殺すということ
変わった食性の虫
テントウムシの作戦
ウドンコ病
擬態
ルイヨウマダラテントウ東京西郊型
外来種について
優曇華(ウドンゲ)の花(クサカゲロウの卵)
ホソアシナガバチ
アシナガバチと遭遇したら
スズメバチvsニホンミツバチ
冬眠するオオスズメバチ
インセクトホテル
ルリモンハナバチ
アブラバチ
クモの糸いろいろ
クモの巣は天然の防虫網
アリに養ってもらうクロシジミの幼虫
アリの蟻酸を利用して蟻浴
アリを誘うサクラ
シロアリの被害が増えているのはなぜ?
マクラギヤスデ
木の元気がなくなる原因 樹木医さんに聞いてみた
ムカデにかまれた!
カマキリとハリガネムシ
イモムシを食べているのはだれ?
シジュウカラの巣
シジュウカラの巣立ち
アブラムシはどこからやってくる?
アブラムシはシェルターもつくる!?
アリとアブラムシ
チャドクガを食べる鳥
毒針毛をもつケムシ
人体に被害をおよぼす虫をおぼえよう
和風味になった虫
バラ科の樹木いろいろ
柑橘類は北風、西日を嫌うv
アゲハの臭角のにおい
アゲハヒメバチ
成虫になれるのは0・2パーセント!?
クローン樹木
サクラ切るバカ?
10年手帳で庭のダイアリーをつけよう
マツ枯れ病
植物の気持ち
右巻きと左巻き
石けんをつくる虫
オーガニックスプレーを使っている植木屋さんからのお便り
おわりに
植物名・病名索引
虫名索引
庭仕事の愉しみはここから始まる!
緑は楽しみたいけど、虫は嫌い!
この本を手にとったあなたも、そんな一人ではないでしょうか? そして、庭で虫を見かけたら、殺虫剤を使うしかないと思っていませんか?
私も虫は大嫌いで、子どものころからさわったこともよく見たこともなく、植木屋になるまで虫と目を合わせることもできませんでした。そんな私がなんと植木屋になってしまい、それも無農薬でやっていくことを決意したわけですから、さぁたいへん! 最初はハチに刺され、チャドクガのかゆさに卒倒しそうになり、アリを見ていると気持ちが悪くなる、というありさまでした。
無農薬で植木屋を続けるためには、「敵」である虫たちのことを調べたり、観察するしかなかったのです。ところが、そうやって虫たちを知れば知るほど、そのおもしろさに魅了され、それとともに植物だけを見ていたときよりも、がぜん庭仕事がおもしろくなってきました。ここから私は、ほんとうの庭の愉しみへと導かれていったような気がします。
庭でも無農薬、オーガニックが実現できます!
農薬をやめると、最初はゆり戻しがあり、一時的に「害虫」とされている虫たちが大発生するかもしれません。しかし、根気よく続けていけば、土も健康になり、天敵も増えてきます。
そうやって、長年、無農薬で庭を管理していると、虫や鳥がどんどん庭に戻ってきて、生きものたちの生命にあふれた庭になってきます。
この本は、殺虫剤などの農薬にたよらず、健康で安心な庭仕事を楽しんでいただくために、虫たちを見わける力=「虫力」をつけるためのガイドブックです。書店の園芸コーナーに並んでいる病虫害対策の本とは違い、虫を全滅させようという趣旨の本ではありません。そのかわりに、虫と植物の関係、捕食関係、生態系のなかでの虫やいろいろな生きものとのかかわりをわかりやすく解説しました。もちろん、虫の対処方法にもふれています。
庭仕事では、昆虫研究家のような知識は必要ないので、個々の虫のくわしい名前まではあげていない場合があります。
たとえば、アブラムシは日本国内だけでも700種類以上が確認されていますが、モモアカアブラムシ、ワタアブラムシ、ムギワラギクオマルアブラムシなどというくわしい名前までわからなくても、アブラムシの仲間であること、植物の葉や茎を吸汁していることがわかれば十分です。
同じように、カメムシの仲間だということがわかり、そのうちの肉食なのか草食なのかぐらいがわかればよしとして、おおらかな気持ちで虫を見てください。
そして、どうしてもわからない場合やちょっと自信がないぞという場合には、ほかの図鑑や虫の本で調べていくと、楽しみが深まります。
本書には、図鑑ではあまり相手にされていない種類の虫たちも載せています。じつは、そういう虫たちが、庭ではとても大切な役割を担っているからです。
無農薬での庭管理に、特別な難しい技術はいりません。とにかくよく観察すること、虫たちのことを知ること、あとは実践あるのみです。小さな庭もワンダーランド。どうかみなさん、この本を参考に、生きものたちのにぎわいのある豊かな庭をつくってください。
虫たちの名前や生態がわかるようになると、ますます庭がおもしろくなってくること請け合いです。
無農薬・無科学肥料で庭づくりをしてきた植木屋さんが長年の経験と観察をもとにあみだした
農薬を使わない虫対策 のコツをたくさんのカラー写真とともに紹介。
『雑草と楽しむ庭づくり』『オーガニック植木屋の剪定術』『オーガニック植木屋の庭づくり』(すべて築地書館)など
数々のガーデニング本のベストセラーを生みだしてきた植木屋夫妻が2008年に刊行した大好評本、『虫といっしょに庭づくり』。
デザインを一新し、新たな虫種とコラムを追加したパワーアップ版をオールカラーでお届けします。
● 庭の虫たちは、どんなところに、なぜ発生するのか、何を食べているのか?
● ほうっておいていい虫なのか、気をつけたほうがいい虫なのか?
● 庭にいてほしくない場合はどうしたらいいのか?
などなど、庭づくりで避けては通れない虫とのつきあい方のコツをたっぷりと紹介。
オーガニックな庭づくりをするには、虫を知ることがいちばんの近道。
虫たちの名前や生態を知り、どう対処すべきか判断できるようになれば、
庭づくりがもっとおもしろくなること間違いなし!
自然農薬のつくり方・使い方、オーガニックガーデナーのためのマメ知識も満載です。
自然界には「害虫」や「益虫」という区別はありません。一見気持ち悪い虫も、地球生態系を支える大切な存在です。
しかし、花や作物につく虫を「退治」するために農薬をまいてしまった経験がある方も多いはず。庭で困りごとが発生したら、
なぜ庭が自分にとって好ましくない状態になってしまったのかを分析してみましょう。
冷静な目で観察してみれば、ギョッとするような見た目をした虫がじつはアブラムシを食べてくれる「益虫」であることや、
木が枯れた原因が虫による食害ではなく単に木が弱っていたせいだったことに気づくかもしれません。
気持ち悪いというイメージだけで虫を嫌うのはもったいないことです。
地球・虫たち・植物・人間が有機的につながり合う生命あふれる庭づくりを提案する本書をぜひお楽しみください。