| 鈴木春彦[著] 2,400円+税 A5判並製 176頁 2023年4月刊行 ISBN978-4-8067-1646-4 北海道標津町、愛知県豊田市で自治体フォレスターとして活躍し、 多くの自治体フォレスターと交流してきた著者が、 スギ、ヒノキを育てる森林所有者から、身近な森でリクリエーションを楽しむ市民まで、 さまざまな人々と共働して、地域の森をどのように作っていくのかを、 20年の経験に基づいて明快に書きおろした。 フォレスターとして必要な基礎技術、市町村林政の林務体制の作り方、林務政策方針の策定、 市町村林務の具体的な先進事例や、国や都道府県レベルではなく、 地元・現場に近い市町村林務独特の体制を、 多様で膨大な業務に押しつぶされずに作る方策を詳述。 これからの日本列島の森をどうしていくのか、 その最前線である市町村フォレスターの仕事がこの1冊でわかる! |
鈴木春彦(すずき・はるひこ)
愛知県豊田市出身。
北海道の雄大な自然に憧れて北海道大学に入学し、探検部に入部したことをきっかけに北海道や日本の各地、
海外の山川海などを旅するようになる。その流れで森林科学科を専攻し、2000年に農学研究院修士課程(森林政策学)を修了。
その後、北海道標津町、愛知県豊田市にて自治体の森林専門職員(フォレスター)として活動した。
2006〜2012 年は森林組合職員を兼務。現在、「森と社会研究会」代表。
2022 年3月に北海道大学農学院より、森林政策学の分野で博士(農学)を取得。技術士(森林部門)。
分担執筆に『森林未来会議:森を活かす仕組みをつくる』(築地書館、2019 年)、
主要論文に「市町村森林行政における施策形成・実施の体制と地域人材の役割」(林業経済研究、2021 年)など。
推薦の言葉
プロローグ
矢作川の森
フォレスターの魅力
フォレスターとは
本書の目的
第1章 フォレスターの心構え
1.地図を持って森へ出よう
土地勘がない
大判地図の一覧性
2.方向感覚を磨く
ヒグマの森
慎重な判断と方向感覚
3.現場のリアリティ
天然林のリアリティ
人工林のリアリティ
4.急がば回れ
ある日の現場にて
「ついで」に見る現場確認
5.森のことは森で話そう
オニグルミの取引
山主への指導
6.地域の歴史を知る
関わりの積み重ねとしての森の姿
歴史を知ることの利点
懐かしい未来
第2章 フォレスターの「超」基礎技術
1.歩く技術と体力
現場の師匠
歩き方の基本
2.雑談は地域情報の宝庫
山主との雑談
雑談の技術
3.第2の頭脳:メモの力
人間の記憶力はあてにならない
キーワード記載法
4.フォレスターのリベラル・アーツ
5.フォレスター業務に「動的平衡」を
福岡博士の動的平衡論
エントロピーが増大し続けるフォレスター業務
6.業務改革の期限の設定
林務業務を4つに分ける
改革期限の設定
7.時間を作り出す
業務方法の変更
業務の統合・廃止
役割分担とアウトソーシング
第3章 市町村林政の実際
1.市町村森林の多様性
森林の状況は市町村ごとに様々
市町村内の各地区の森林の状況も様々
2.地域の林業関係者とフォレスターの役割
地域の林業関係者の顔ぶれ
日本のフォレスターの役割とその特徴
3.市町村林務体制の脆弱性
林務担当の職員数が少ない
林務担当の専門性が不足
4.市町村の林務担当業務
林務担当の年間スケジュール
兼務問題いろいろ
第4章 市町村フォレスターの政策方針の設定
1.地域森林の課題の見つけ方
あるくみるきく
焦点を合わせる
2.市町村政策の前提条件
研修会での違和感
市町村政策の留意点
国・都道府県との違い
3.多様な視点から政策方針を設定する
5つの森づくり方針
政策方針の総合力
4.地域の主要産業と森を結びつける
農業と森との接点
耕地防風林の整備
地域森林に対する関心を高める
5.行政にしかできない政策課題とは?
漁業者からの言葉
伐採規制は行政の領分
想定を超える豪雨災害の頻発
伐採に関する地域ルールの必要性
6.流域単位の生態系保全
サケが森をつくる
シンボル・フィッシュ、サクラマス
治山ダムのスリット化
7.林業の経済性への探求
森林組合会議室
マルクスの洞察
林産事業の立て直し
第5章 市町村フォレスターの施策形成
1.2010年代の先進自治体
「施策体制」の検討
事例地の選定
3つの施策体制タイプ
2.市町村の施策体制:実務職員型(中川町)
課題設定プロセス
検討・決定プロセス
実施プロセス
実務職員型の施策体制
3.市町村の施策体制:民間活用型(飛騨市)
課題設定プロセス
検討・決定プロセス
実施プロセス
民間活用型の施策体制
4.市町村の施策体制:委員会型(郡上市)
課題設定プロセス
検討・決定プロセス
実施プロセス
委員会型の施策体制
5. 施策体制タイプの特徴と地域人材の果たした役割
施策体制タイプの特徴とキーパーソンの役割
自治体の担当職員が果たした役割
第6章 フォレスターの未来
1.苦境に立つ日本林業
ハワイ旅行の夢
戦後の木材価格の高騰
林業経営は可能なのか
2.山主の山離れ
しばらく山に行っていない
森林所有の空洞化
日本の森林の所有構造
3.地域森林管理の進展のために
フォレスターの育成と確保
地域における協力体制の構築
エピローグ
謝辞
用語解説(五十音順)
引用および参考文献
フォレスターの仕事とは何だろうか。
フォレスターがいなければ木は育たないのだろうか。
彼らがいない場合、森は、社会はどうなるのだろうか。
多くの現代人、特に都市部に住まう人々は、このように問う。
ヨーロッパやドイツの伝統的な理解においては、「この専門家集団は狩猟犬と一緒に、健康な森の空気の中で地域の森を常に守っている」という決まり文句が回答となるだろう。
しかしながら、今日におけるフォレスターの役割は、これだけではない。
もちろん日本においても同様である。よりカラフルで、はるかに複雑だが、何よりもエキサイティングである。日本やドイツのような先進国では、フォレスターの仕事は、エコロジーな仕事であると同時に、限られた資源の中で持続可能な発展を目指す闘いでもあるのだ。森林管理の現場には、森林開発、森林利用、そして「自然を自然のままにしておく」というようないくつもの選択肢があり、そのどれを選択するかを決めていかなければならない。
このような課題に対し、緊張感をもってフォレスターとしての仕事に取り組んでおられるのが、著者である鈴木氏の功績の一つだ。氏は、本書で複数のケーススタディを使用し、森林、特に地域の森において、伝統的な森林利用の要求や多様な利害関係者からの様々な要求を、フォレスターがどのように満たそうとしているかについて実証的に検討している。
地域の森は、地域の歴史と独自性を如実に表す場でもある。フォレスターは、これらの多岐にわたる関心事の解決と同時に、近自然的な森林管理を行うという最も重要な役割を果たさなければいけないのだ。
本書は、森林をとりまく最新の状況を示している。劇的に変化する経済・環境・社会のあらゆる面において「中心的役割を担う森」は、地元に雇用をもたらし、恒常的な収入を確保する場所である。同時に、住民はスポーツをしたり、自然の中でリラックスしたり、変わらないものの象徴として「自らの森」を利用している。このように地域の森の森林計画は、地域関係者の様々な要求を出発点とする非常に複雑な課題を含んでいるのである。
だからこそ、熱心な市民、社会一般、責任ある機関がどのようにうまく共存できるかについての調査は、非常に価値がある。本書は、革新的で理想的な回答を示すだけではなく、一般の読者にも読んでもらえるように企画されている。それにより本書は、我々が先祖から受け継いできた、持続可能で近自然的な森林管理を継承していくための礎となるだろう。
地域の森の課題解決に熱意を持つ人々、また森林の特別な価値を共有する多くの、そして多様な人々が、本書を手に取られることを切に願う。また本書が、日本のフォレスターの魅力を高め、また持続可能な森林の未来のために、挑戦する若者たちを鼓舞するものになると確信している。
2022年10月3日
ドイツ ロッテンブルグ林業大学 造林学部 教授
Dr. Sebastian Hein (セバスティアン・ハイン)
(日本語訳 江鳩景子)
矢作川の森
愛知県豊田市の中心部を流れる矢作川。その上中流域には森が延々と広がっており、休みの日、私はそれらの森をしばしば散策する。
3月から5月にかけては花のシーズン。咲いては枯れる花々を見つけ、感激の声を上げる。マンサクの黄色の花は、豊田市の山間地に春の到来を告げる花だ。そして、エドヒガンやヤマザクラなどのサクラ類が咲き始めるといよいよ春本番で、次々と新しい花が咲いていく。5月に入ると、ツブラジイの黄金色の花が強烈な香りを発散し、コアジサイの透明感のある淡青色の花も林床に咲き広がるようになる。
花には、花びらの形、色、雄しべの数など、種ごとに特徴がある。手に届く範囲の花は、ルーペを使って一つ一つを細部まで観察する。涼しい風が林内を通り抜けていく。こんな森歩きの時間はとても楽しい。
秋から冬にかけては紅葉や木の実のシーズン。樹木の葉の色の移り変わりを観察しながら、落ち葉で敷き詰められた森の小径を歩く。落ち葉を踏むと「サクッ、サクッ、サクッ」と葉の砕ける乾いた音がして、耳に心地よい。
葉っぱの下に隠れていたヤブムラサキの紫色の実を見つけた。隣の木の枝にはクリの実がたわわにぶら下がっており、トゲの密生する皮の割け目から艶やかな茶色の実が顔を出している。
最近はコケにも関心が出てきて、興味の対象がさらに増えた。コケは種ごとに独自の小宇宙を形成しているが、目視ではその形態をほとんど確認できない。コケの極小の世界を見るため、林内でうつ伏せになってルーペで観察する。ルーペ越しに見えるコケの圧倒的な多様性には、いつも驚かされる。日差しに照らされてキラキラと輝くコケ特有の美は、人の心を捉えて離さない。
ある日、森の小径でうつ伏せになってコケを観察していたら、散歩中の年配女性とバッタリと出くわした。道に横たわる人(物体?)によほど驚いたのだろう、女性は「ギャーッ」と叫んで逃げ出し、またたく間に姿が見えなくなった。森の中で行き倒れた人の死体とでも思ったのだろうか。その声のあまりの大きさに、私も心の中で「ギャーッ」と叫んだ。
散策に疲れると、携帯した小型椅子に座り、藍色のステンレス水筒を取り出して、家で淹れてきたコーヒーを飲む。森の中で飲むコーヒーの味は格別だ。
ツブラジイ、コナラ、アベマキなどの樹木に囲まれた森には、ゆったりとした時間が流れている。生い茂る枝葉の隙間から、木漏れ日が林内に差し込んでいる。美しい眺めだと思う。地域の森林管理に長年関わってきた者として、この美しい地域の森を守りたいと思うし、より多くの人が、森との多様な関わりの中で幸せに暮らしてほしいと願っている。
フォレスターの魅力
私は20年という間、2つの自治体でフォレスターとして活動してきた。2つとは、北海道東部の知床半島近くの標津町(しべつちょう)と、中部地方の愛知県豊田市である。北海道と中部地方という遠く離れた、自然環境や社会環境の大きく異なる2つの地域で働けたことは、私の視野を広げるのに十分な経験となった。また、これまで100 を超える市町村でヒアリング調査や視察を行ったり、多くの市町村からの視察を受け入れたりしたことも、地域の多様性を知る良い機会になった。
私の立場は、市町村に採用された森林・林業の専門職員だった。市町村の担当者として林務業務に従事してきたほか、標津町では森林組合業務も兼務し、山主(森林所有者)への施業提案から苗木の手配、植栽、下刈(したがり)、伐採などの各施業の実施、さらには木材販売まで、地域森林管理の一連の仕事に関わってきた。
このような業務経験を通して確信したことは、地域森林管理の仕事には魅力と可能性が溢れているということだ。たとえば市町村の林務業務には、地域森林を俯瞰しバランスを取ってデザインしていく森林計画の創造性や、現場を直接的に動かしていく市町村有林管理の躍動感があり、小学生や住民を対象とした森林教室開催などの教育・啓発の将来性もあった。
森林組合職員の業務には、森林整備に関わって山主と共に森を歩いて語らうなど関係者との距離の近さや、山主の所有林を預かって施業を計画して森づくりを行う創造性があった。また、伐採や運材の各工程の工夫や、木材販売などで利益を確保していく経済活動の躍動感もあった。このような多様な魅力と可能性を内包している仕事が、地域森林管理の他に、今の日本に一体どれくらいあるのだろうか。
しかも、市町村森林行政や森林組合等の多くは小規模で職員数が少ないため、担当者のアイデアや考えを業務に反映させやすい。つまり、担当者の意欲と能力次第で、いかようにもすることができる恵まれた環境なのである。もちろん、小規模ゆえに多種多量の業務をこなさなければならないデメリットはあるが、担当者の創意と工夫でこの点をクリアーできれば、そこには無限の可能性が広がっているといえよう。
しかし、このような地域森林管理の仕事が持つポテンシャルを十分に活かしきれていない、または山主や市民からの期待に応えられていない地域を多く見るにつれ、全国の他の地域に何か貢献できないだろうかと考えるようになった。2019 〜 2021 年度まで社会人学生として北海道大学大学院農学院に所属し、研究者の立場から全国の市町村の動向や先進事例地を調査したことも、多くの刺激と示唆を与えてくれた。そして、これまでの私の経験と知見が、今後の各地の地域森林管理に何か役立つこともあるのではと思い、本書の筆を執ることにした。
フォレスターとは
本書は、地域森林管理の要となる「フォレスター」を主題とした本である。そこで、まず「フォレスター」という言葉を定義しておきたい。本書では、フォレスターを「森林管理や林業経営のために、科学的な知見に基づき、法律に基づく規制・指導や、管理方針や施業の立案・実行監理を行なう技術者」(相川ら、2015 年:98p)と定義する。すなわち、チェーンソー伐採などの肉体労働を行う林業ワーカーではなく、フォレスターは森林に関わる事務系職員のことである。人材像としては、科学的な素養を持ちつつ、地域森林の管理方針を設定し、それに沿って山主を指導し、個々の林分の施業プランを立てることができる人材である。地域森林に関わるトータル・マネージャーと言ってもいいだろう。
ドイツやスイスではこの定義のような役割を担ったフォレスターが現場で活躍しているが、日本では役割が組織ごとに分けられているため、これがそのまま当てはまる単一の職業はない。日本で言えば、市町村林務職員、森林組合・民間林業事業体の森林施業プランナー、都道府県林務職員の業務を合わせたものがこの定義に合致していることから、本書ではこの3者を日本の「フォレスター」と想定して書き進めることにする。
なお、私は市町村林務職員、森林組合職員の立場でフォレスターのキャリアを積んできたので、本書で用いる事例は市町村や森林組合の現場の話題が多くなることを、あらかじめ断っておきたい。
本書の目的
日本の森林とは、地域森林の総和のことである。当たり前のことだが、地域森林が良くならないと、日本全体の森林も良くならない。しかし、日本の地域森林管理に関わる人材は質・量ともに不足しているのが現状だ。地域森林管理の質を高めて活性化していくには、いま地域にいる人材の能力をさらに高めるとともに、新たな人材を確保し、育成していくことが急務になっている。
また、地域森林管理を進展させるためには、林業関係者以外の人材を森林政策に巻き込んでいくことが重要になってくる。縮小してきた林業分野の枠を超えて、それ以外の多様な主体の協力を得て地域での協力体制を構築していくことが、これからの地域森林管理の鍵を握っている。このような背景から、本書の目的を次の2つに設定したい。
1つ目は、現役のフォレスターやこれからフォレスターを目指そうとする学生等が読んで、地域森林管理の実務に役立つような実践の書にすることである。「実践の書」と言っても、本書は事務的なマニュアル本やムズカシイ技術本ではない。「〇〇計画の実務(手引き)」などと銘打たれたマニュアル本や、「○○学」などの専門書・技術書はすでに多数発行されていて、本書がそれを後追いする必要はない。本書が目指しているのは、これまで書かれてこなかった、フォレスターとして働くための心構えや視点、基礎的な技術について提示することである。本書がこの点を重視している理由は、これらフォレスターの基礎的な心構えや技術が、現在の日本では軽んじられ、疎かにされていると感じているからで、そこに私が危機感を持っているからである。日本の一部の林業者やドイツ・スイスのフォレスターが、当たり前のように実行している丁寧な現場踏査や樹木の観察、地域の森林史の把握などがなされなくなれば、日本の地域森林の状態はますます悪くなってしまうだろう。そこで、本書の第1章、第2章では、フォレスターに必要な心構えや視点、基礎的な技術の重要性について、私の現場事例等を用いながら述べてみたい。
また、第3章〜第5章は、フォレスターの中でも、近年その役割が特に期待されている市町村フォレスター、市町村林政を取り上げる。災害防止や生物多様性の保全、地方創生などは現場ごとの対応が必要となり、基礎自治体である市町村の果たす役割が大きい。さらに、2000 年代以降の相次ぐ地方分権化により、多くの業務が市町村に移譲・新設されて、国家政策として市町村の役割発揮も求められている。そのような中で、どのような対応をとることができるのかを、市町村林政の現状を見つつ(第3章)、市町村での政策方針の設定(第4章)や施策形成(第5章)におけるポイントを提示しながら検討していきたい。特に、地域における体制づくりの重要性を踏まえて、第5章では施策体制タイプの検討や体制内の人材配置などを中心に述べていくこととする。
2つ目の目的は、林業関係者以外の一般の人にも読んでもらえるような内容にし、地域森林について広く知ってもらうきっかけとなるような本にすることである。都市型生活の広がりや山間地域の過疎化などによって、森林管理や林業が一般の人から遠い存在になってしまっている。実際の森での作業も、現場が山奥にあることが多く、一般の人の目には届きにくい。
そこで本書は、全章を通してなるべく平易な言葉を使って、読みやすい文章になるように心掛けた。1つ目の目的である実践書との兼ね合いで、専門用語を使わざるを得ない箇所もあったが、巻末に用語解説を付けたので、必要に応じてそこで専門用語の意味を確認しながら本文を読んでいただきたい。
また、地域森林現場の風景や関係者とのやり取りをできるだけ具体的に記載し、現場の雰囲気や息づかいを感じてもらえるように心掛けた。これらによって、フォレスターが、日々どのように仕事をしているか、どのようなことに悩んでいるのかについて広く知ってもらえればと思っている。
本書は全6章32節から成っている。各節の内容に沿って6つの章に分けているが、各節は基本的に独立するように執筆したので、目次を見て興味のある項目から読むこともできるし、最初から順番に読んでいくこともできる。読者なりの読み方で、本書を読み進めていただければ幸いである。