| 小林朋道[著] 1,600円+税 四六判並製 184頁 2018年8月刊行 ISBN978-4-8067-1566-5 自然豊かな大学キャンパスで、学生、動物たちを巻き込んでつぎつぎに起こる事件の数々。 これらの事件の主役である大人気「先生!シリーズ」の著者、 コバヤシ教授の自然へのまなざしは、どのようにして培われてきたのだろう。 幼いホモ・サピエンスの一見残酷な虫遊びの意味、 生物を擬人化することと、ヒトの生存・繁殖戦略との関連。 生き物の習性・生態に、ヒトが特に敏感に反応するのはなぜか。 アカネズミとドングリの関係、ニホンモモンガの暮らし、 大学キャンパスでの動物との出合い、子どもたちとの自然教室での実験、 動物行動学と脳のクセーーーーーー 自然の中での遊びがスムーズに学びに変化していく力の源を、 著者の少年時代の体験から説きおこし、 生涯にわたっての、すばらしい学び手でありつづけるための ヒトの精神と自然とのつながりを読み解く。 |
小林朋道(こばやし・ともみち)
1958年岡山県生まれ。
岡山大学理学部生物学科卒業。京都大学で理学博士取得。
岡山県で高等学校に勤務後、2001年鳥取環境大学講師、2005年教授。
2015年より公立鳥取環境大学に名称変更。
専門は動物行動学、人間比較行動学。
著書に『絵でわかる動物の行動と心理』(講談社)、
『利己的遺伝子から見た人間』(PHP 研究所)、
『ヒトの脳にはクセがある』『ヒト、動物に会う』(以上、新潮社)、
『なぜヤギは、車好きなのか?』(朝日新聞出版)、『進化教育学入門』(春秋社)、
『先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!』
『先生、シマリスがヘビの頭をかじっています!』
『先生、子リスたちがイタチを攻撃しています!』
『先生、カエルが脱皮してその皮を食べています!』
『先生、キジがヤギに縄張り宣言しています!』
『先生、モモンガの風呂に入ってください!』
『先生、大型野獣がキャンパスに侵入しました!』
『先生、ワラジムシが取っ組みあいのケンカをしています!』
『先生、洞窟でコウモリとアナグマが同居しています!』
『先生、イソギンチャクが腹痛を起こしています!』
『先生、犬にサンショウウオの捜索を頼むのですか!』
『先生、オサムシが研究室を掃除しています!』(以上、築地書館)など。
これまで、ヒトも含めた哺乳類、鳥類、両生類などの行動を、動物の生存や繁殖にどのように役立つかという視点から調べてきた。
現在は、ヒトと自然の精神的なつながりについての研究や、水辺や森の絶滅危惧動物の保全活動に取り組んでいる。
中国山地の山あいで、幼いころから野生生物たちとふれあいながら育ち、気がつくとそのまま大人になっていた。
1日のうち少しでも野生生物との“交流”をもたないと体調が悪くなる。
自分では虚弱体質の理論派だと思っているが、学生たちからは体力だのみの現場派だと言われている。
ツイッターアカウント@Tomomichikobaya
はじめに
第1章 もし、あなたがアカネズミだったなら?
「擬人化」はヒトと自然の精神的なつながりを醸しだす
第2章 ノウサギの“太腿つき脚”は生物か無生物か
子どものころの生物とのふれあいが脳に与える影響
第3章 幼いホモ・サピエンスはなぜダンゴムシをもてあそぶのか
脳には生物の認識に専門に働く領域がある!
第4章 ポケモンGOはなぜ人気があるのか
推察する、探す、採集する、育てる、自慢する………狩猟採集生活がそこにある!?
第5章 狩猟採集民としての能力と学習の深い関係
ヒトの脳は、生物の「習性・生態」に特に敏感に反応する
第6章 古民家にヤギやカエルとふれあえる里山動物博物館をつくりませんか?
ヒトの心身と自然と文化の切っても切れないつながり