重松敏則+JCVN(特定非営利活動法人日本環境保全ボランティアネットワーク)[編]
3,600円+税 A5判並製 296頁 ISBN978-4-8067-1408-8
これからの持続循環型社会、生物多様な環境を維持するのに欠かすことのできない里山、里地、里海、川をどのように保全し、利用するべきか。 日本の里山、里地の変化を詳しく追い、今後の展望を切り拓く。 国際的連携を通しての保全活動の取り組み、市民参加による保全活動の実践事例を数多く紹介。
重松敏則 NPO法人日本環境保全ボランティアネットワーク理事長、九州大学名誉教授、農学博士、自然環境復元学会九州支部長、NPO法人自然環境復元協会理事、大阪府立大学農学部助手、講師、九州芸術工科大学教授を経て、九州大学大学院芸術工学研究院教授を2009年に定年退職。1975年より、里山林の保全・管理について、実験調査に基づく生態学的研究を継続。その成果を活用し1988年より、市民参加による里山管理の潜在力と展開について実践的な研究に着手する。また、英国における全国的な環境保全のためのボランティア団体であるBTCVの組織運営と活動実態について調査し、我国に紹介するとともに、その連携活動として1994年より、16回の国際里山・田園保全ワーキングホリデーの開催に参画している。主な著書として「市民による里山の保全管理」、「新しい里山再生法―市民参加型の提案」、「里山の自然を守る(共著)」ほか。 佐藤宣子 九州大学大学院農学研究院環境農学部門・教授、農学博士。大分県きのこ研究指導センター、九州大学農学部助手を経て、2007年より現職。森林政策学、林業経済学が専門。2004年からNPO法人九州森林ネットワークの理事長として、地域連携を進める活動を展開中。 朝廣和夫 九州大学大学院芸術工学研究院環境・遺産デザイン部門・准教授、博士(芸術工学)。ふくおか森づくりネットワーク代表、NPO法人日本環境保全ボランティアネットワーク理事。九州芸術工科大学助手、ロンドン大学インペリアルカレッジ在外研究員等を経て、2009年より現職。 上原三知 信州大学農学部森林科学科助教、博士(芸術工学)、環境省環境カウンセラー。九州大学大学院芸術工学研究院博士後期課程終了後、神戸芸術工科大学デザイン学部環境・建築デザイン学科(ランドスケープ担当)の助手を経て、2007年より現職。 松延康貴 福岡県県土整備部北九州県土整備事務所。九州大学大学院芸術工学府において、山間集落流域の植生の変遷と、現存スギ・ヒノキ人工林の木材生産量やバイオマスエネルギー量、ならびに潜在的な棚田の作物生産量を把握するために、現地調査や航空写真判読解析等を行う。 藤井義久 九州林産(株)緑化部管理グループ。博士(芸術工学)。火山里山保全交流会事務局。航空写真による竹林拡大の動向把握や、野外実験と植生調査に基づく効果的な伐竹方法を研究。九州大学ベンチャービジネスラボラトリー非常勤研究員等を経て、2010年4月より現職。 塚本竜也 トチギ環境未来基地代表、NPO法人NICE副代表、若者自立塾・栃木副塾長、NPO法人とちぎボランティアネットワーク理事、とちぎユースサポーターズネットワーク共同代表、NPO法人日本環境保全ボランティアネットワーク理事。NPO法人NICE(2003年〜2008年事務局長)。 小森耕太 山村塾事務局、NPO法人日本環境保全ボランティアネットワーク理事、NPO法人森づくりフォーラム理事、NPO法人九州森林ネットワーク理事、森づくり安全技術・技能全国推進協議会理事。九州芸術工科大学環境設計学科を卒業後、2000年4月に八女郡黒木町に移住。様々な企画を立案し実行中。 志賀壮史 こうのす里山くらぶ代表。博士(芸術工学)。NPO法人グリーンシティ福岡理事、NPO法人日本環境保全ボランティアネットワーク理事。まちづくりや環境保全ボランティア活動を実践する。ファシリテーション技術の講習を全国各地で実施する一方、保全活動や環境教育のボランティア育成にも取り組む。 平由以子 NPO法人循環生活研究所理事・事務局長、コンポストトレーナー、NPO法人日本環境保全ボランティアネットワーク理事、環境省環境カウンセラー、環境再生医環境教育部門中級。平成17年ダンボールコンポストアドバイザー養成・支援システムを開始。全国に100人のアドバイザーとコンポストネットワークを構築、運営。 小野仁 (株)リクチコンサンルタント技師長九州大学大学院芸術工学研究院非常勤講師技術士(建設部門、応用理学部門)、RCCM(道路部門、造園部門)、環境カウンセラー(市民部門)、自然観察指導員、ネーチャーゲーム指導員、日本野鳥の会福岡支部長、福岡県自然観察指導員連絡協議会事務局長など。 島谷幸宏 九州大学大学院工学研究院環境都市部門・教授、工学博士。建設省土木研究所、九州地方整備局の武雄河川事務所長を経て現職。専門は河川工学、河川環境。国土交通省多自然川づくり研究会座長、九州地方整備局風景委員会委員長,土木デザイン賞選考委員会委員長など。 林博徳 九州大学大学院工学研究院付属循環社会システム工学研究センター非常勤研究員。博士(工学)。河川の自然再生、住民参加の川づくりなどに関連する研究活動、社会貢献活動に取り組んでいる。多くの生物があたりまえに生息していて、人も楽しく利用することができる河川づくりをめざしている。 皆川朋子 福岡大学工学部社会デザイン工学科助教。博士(工学)。1992年に建設省入省後土木研究所、2001年(独)土木研究所自然共生研究センター主任研究員を経て現職。自然再生の基礎的研究や多摩川の河原の再生などにかかわる。現在は福岡において中小河川の再生、地域の川づくりなどに精力的に取り組んでいる。 渡辺亮一 福岡大学工学部社会デザイン工学科准教授。九州大学大学院博士課程修了後、福岡大学工学部助手、併任講師等を経て、2009年4月より現職。水環境から水循環に至る都市域における流域システムに関する研究を行っており、また博多湾の環境についても市民参加の海援隊を組織し、調査研究に取り組んでいる。 志村聖子 東京芸術大学音楽学部楽理科を卒業後、ピアノ演奏・講師活動に携わる。ロンドン大学オールドホールでのソロリサイタル、福岡県黒木町「里山コンサート」等に出演。現在、九州大学大学院芸術工学府修士課程に在学し、社会と芸術を結ぶためのアートマネジメントの調査研究、コンサートの企画に携わる。
はじめに 第1部 里山・里地の保全と循環利用 第1章 里山・里地の自然 第2章 里山・里地の変貌 第3章 人工林の実態と管理・活用 第4章 新たな里山・里地の提案 第5章 里山マップの作成による実態把握 第6章 里山・里地の保全・活用計画手法とその潜在力評価 第7章 竹林拡大の実態と制御・活用 第2部 市民参加による里山・里地保全とまちづくり 第8章 市民参加による里山保全管理の契機と効果 第9章 BTCVとの連携による国際ワークの取り組み 第10章 NICEによる国際ワークキャンプの展開とトチギ環境未来基地の取り組み 第11章 都市と農山村が連携する山村塾の取り組み 第12章 都市部の里山保全活動??こうのす里山くらぶを事例に 第13章 リーダー・人材養成の必要性と実践 第3部 市民参加による循環型まちづくり・川と里海の再生 第14章 生ゴミの自家堆肥化による波及効果と活用の展開 第15章 庭や公園、学校におけるビオトープづくりと効果 第16章 川や水田の生物多様性復元と触れ合い体験による効果 第17章 博多湾の現状と市民参加による里海再生 第18章 音楽を通した市民活動の展望 第19章 JCVNの発足と今後の活動展開