石井　誠（いしい・まこと）

1929年　神奈川県横浜市生まれ
1956年　日本大学農学部（現・生物資源科学部）卒業
大学卒業後も、デパート勤務のかたわら昆虫観察・調査・撮影を続け、退職後も現在にいたるまで毎日のようにフィールドに出ている。
「子供の科学」誌で2年6カ月にわたり、昆虫のさまざまな生態観察の連載記事を執筆。
また、各地の博物館や公園事務所、小学校で「虫の話講演会」などを多数実施、開催してきた。
昆虫類、野草などの細密画のストックが約200枚以上、撮影した写真は数えられないほど多数。
昆虫観察などが、朝日新聞、神奈川新聞、時事通信など各種報道機関で昆虫研究記事として掲載された。
神奈川昆虫談話会会員、相模の蝶を語る会会員

主な書籍
『昆虫採集KIDS　この虫をゲット!（21世紀こども遊び塾）』小学館（1999年7月発行）
『昆虫採集KIDS』中国版（2001年1月発行）
『虫の顔』八坂書房（2008年4月発行）
『昆虫と植物の不思議な関係』誠文堂新光社（2009年1月発行）
『公園で探せる昆虫図鑑』誠文堂新光社（2011年5月発行）
『昆虫びっくり観察術�@　顔からみえる虫の生き方』誠文堂新光社（2013年1月発行）
『昆虫びっくり観察術�A　体からみえる虫の能力』誠文堂新光社（2013年1月発行）
『昆虫のすごい瞬間図鑑』誠文堂新光社（2017年2月発行）
『昆虫のすごい瞬間図鑑』中国版（出版予定）

近ごろなんだか虫が減ってきたように感じませんか？
近くの公園で必ず見られたチョウが見られない、カマキリの卵を探しても見つからなくなった、
秋になると赤トンボが群れていたのに今年は少ない……などなど。

著者は子どものころに昆虫に魅せられて、70年以上、
自宅近くの公園や緑地をフィールドにして昆虫の観察・調査・撮影を行ってきました。

本書では、どこででも普通に見られる（た）虫たちの驚きの生態を、
自然の中で撮影した写真の数々と、どんな時にどんな場所で観察したのか、
観察のポイントなどの短い解説で紹介しています。
近くの公園や、もしかしたら庭先でも、こんな素晴らしい生き物たちの世界が広がっているかもしれません。

ですが、著者は、近年、それらの普通種といわれる昆虫たちが姿を消しつつあることに気づきます。
もちろん地球環境の変化もあるのでしょうが、もっと身近なところで、
例えば雑草をすべて抜いてしまうのではなく昆虫の食草を残すなど、
虫の生活史を理解して公園の管理の仕方を少し変えるだけで生き物たちのにぎわいのある公園ができるのではないか、
それが地球環境の保全にもつながるのではないか、
そのためにもまずは昆虫たちの不思議な驚きの世界を存分に楽しんでもらいたい、
という思いから本書を著しました。

近くの公園で昆虫観察をするのにぴったりな１冊です。
ぜひ本書を片手に出かけてみてください。