| 小林朋道[著] 1,600円+税 四六判並製 192頁 2018年5月刊行 ISBN978-4-8067-1559-7 コウモリはフクロウの声を聞いて石の下に隠れ、 ばかデカイ心臓をもつ“モモンガノミ”はアカネズミを嫌い、 芦津のモモンガはついにテレビデビュー! そして、コバヤシ教授は今日も全力疾走中! 自然豊かな大学を舞台に起こる 動物と人間をめぐる事件の数々を 人間動物行動学の視点で描く。 |
小林朋道(こばやし・ともみち)
1958年岡山県生まれ。
岡山大学理学部生物学科卒業。京都大学で理学博士取得。
岡山県で高等学校に勤務後、2001年鳥取環境大学講師、2005年教授。
2015年より公立鳥取環境大学に名称変更。
専門は動物行動学、人間比較行動学。
著書に『絵でわかる動物の行動と心理』(講談社)、
『利己的遺伝子から見た人間』(PHP 研究所)、
『ヒトの脳にはクセがある』『ヒト、動物に会う』(以上、新潮社)、
『なぜヤギは、車好きなのか?』(朝日新聞出版)、『進化教育学入門』(春秋社)、
『先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!』
『先生、シマリスがヘビの頭をかじっています!』
『先生、子リスたちがイタチを攻撃しています!』
『先生、カエルが脱皮してその皮を食べています!』
『先生、キジがヤギに縄張り宣言しています!』
『先生、モモンガの風呂に入ってください!』
『先生、大型野獣がキャンパスに侵入しました!』
『先生、ワラジムシが取っ組みあいのケンカをしています!』
『先生、洞窟でコウモリとアナグマが同居しています!』
『先生、イソギンチャクが腹痛を起こしています!』
『先生、犬にサンショウウオの捜索を頼むのですか!』(以上、築地書館)など。
これまで、ヒトも含めた哺乳類、鳥類、両生類などの行動を、動物の生存や繁殖にどのように役立つかという視点から調べてきた。
現在は、ヒトと自然の精神的なつながりについての研究や、水辺や森の絶滅危惧動物の保全活動に取り組んでいる。
中国山地の山あいで、幼いころから野生生物たちとふれあいながら育ち、気がつくとそのまま大人になっていた。
1日のうち少しでも野生生物との“交流”をもたないと体調が悪くなる。
自分では虚弱体質の理論派だと思っているが、学生たちからは体力だのみの現場派だと言われている。
ツイッターアカウント@Tomomichikobaya
はじめに
ヤギは仲間といることを強く望む動物だ
そんなヤギの心を痛いほど感じさせられた10日間
モモジロコウモリがフクロウに対して示す2つの反応! 世界初だと思う
そして洞窟内での彼らとの出合いは心折れそうな私を励ましてくれたのだ
「ダーウィンが来た!」が来た
芦津のモモンガ、テレビデビュー
暑さにふらつく鳥、寒さによろめく鳥
私の研究室でしばし体を休め、自然界に旅立っていった小鳥たち
ヤギは糞や唾液のニオイがついた餌は食べない!
いや、じつに動物行動学的な現象だ
ニホンモモンガの体毛に生息するノミに魅せられて
「蚤の心臓」という言葉があるが、モモンガノミの心臓はたいそう立派なのだ
サッカー場の10分の1ほどの調査地に取りつけた、10個の巣箱から6種類の動物が見つかった話
哺乳類3種、鳥類1種、昆虫2種、いや驚いた!