序 章 官僚機構・解体のための劇薬について
政権運営開始から1カ月
政権運営開始から3カ月
政権運営開始から1年
ダムが止まらないわけ
第1章 開発スキーム「水資源開発促進法」
広域的な用水対策に合わせた七水系の指定
4省なわ張り争いの調整機関として誕生した「特殊法人水資源開発公団」
護送船団としての国土審議会水資源開発分科会
七水系の水資源開発基本計画(フルプラン)と全総
特別会計
建設事業費
管理業務費
第2章 見えてきた成長の限界――繰り返された勧告
見えてきた限界
会計検査院が繰り返した指摘
1983年 事業の長期化
1994年 発揮されない洪水被害軽減の効果
2009年 費用対効果分析
2010年 放置された指摘
2012年 指摘を活かさない国会
行政監察による勧告
1989年 水利権の転用
2000年 水需要の見きわめ
2001年 行政評価局でも繰り返された勧告
行政刷新会議による「行政評価」の事業仕分け
取り残された日本
第3章 方向転換のためのハードル
開発スキーム改革の原型
改革メニューとしての基本法――中央省庁改革は省庁合体に
特殊法人の独立行政法人化への布石
整理合理化による審議会の合体
費用便益分析の導入
政策評価法で自己評価
“水資源開発促進法を廃止することは考えていない”
◆コラム1 他者評価(事業仕分け)から自己評価(行政事業レビュー)へ
特殊法人から独立行政法人への看板の書き換え
国会議事録に刻まれた外れた未来予想図
独立行政法人整理合理化計画
「水の供給量を増大させない」と条件のついた設置法
第4章 ピラミッドの解体
元技監による新法の運用
政策形成過程にそびえるピラミッド
収入を国にたよる公益法人
学識経験者を隠れみのにする公益法人
民にゆだねる事業への天下り解禁
公益法人制度改革でも天下り解禁
◆コラム2 ピラミッド解体策の観点の推移
収入を国にたよる民間企業
裾野の広いピラミッドに退職後の生活を依存する官僚OB
官僚OBによる官制談合
新しいモデル
第5章 税金は海に流れ続ける
使わない工業用水を海に流す長良川河口堰
伊勢湾に流れる税金
受益者負担は恒久的
上げ底4割、年3回の観光放流をする徳山ダムの今
行政監視機能を発揮しない司法
税金の捨て場と化す木曽川水系連絡導水路事業
地方公共団体が撤退した幽霊事業、丹生ダム
代替案が一顧だにされなかった川上ダム
下がる水位はダム2つで誤差の範囲
◆コラム3 1997年改正河川法の忠実な運用を試みた淀川水系流域委員会
地すべりで30年遅れ、事業費4倍の滝沢ダム
貯水が地すべり原因と国が認めるダム、認めないダム
第6章 ラスパイレス指数118・7の組織運営
座席表でわかる余剰人員の配置
シニアスタッフという内部天下り
本来業務を外注する「総合技術センター」
水資源開発促進法を逸脱する「総合技術センター」
地方公共団体負担の9割は人件費・その他
点検業務も外注する管理業務
併任のカラクリと黒塗り資料
第7章 根拠法の廃止
ひな形のある「世論」
テレビに映し出される「住民」
法手続で追及する建設官僚OB議員
政治献金と八ッ場ダム
ダム推進マニュアル
(財)日本ダム協会の報告書の執筆陣はゼネコンの社員たち
『ダム不要論を糾す――八ッ場ダム建設中止は天下の愚策』
元技監と官房長官裁定と万歳三唱
廃止をしても困らない
◆コラム4 政策の完了と法律の失効・廃止例
あとがき――世代間の不公平負担を避けるために
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