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 その生態と歴史

著者……平岩米吉 →→著者略歴と主要著書
2600円 A5判 310頁 1992年9月発行

絶滅したニホンオオカミの生態と歴史の集大成。
犬科動物の研究では第一人者といわれる著者が、数十年にわたって収集した正確な資料と、狼と生活をともにした実体験を含めた、科学的な観察と分析により、ニホンオオカミの特徴や大きさ、性質、残存説などを検証する。
神格化された古代から、やがて病狼と恐れられ、絶滅へと追い込まれていく歴史も詳述する。

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【主要目次】
【序章】狼への幻想と現実
【第一章】犬科の分類と解説
  1. 分類
  2. 解説
    (狼/ジャッカル/コヨーテ/たてがみ狼/フォークランド狼/カニクイ犬/アザラ犬/マゼラン犬/小耳犬/小歯犬/狸/ディンゴ/家犬/赤狼/赤犬/やぶ犬/大耳犬/アフリカ野生犬)

【第二章】犬と狼の関係
  1. 家犬(家犬の成立/複雑な形態)
  2. 犬と狼の比較
    (腸の長さ/成長の年数と繁殖の回数/特殊の吠え声の発達/前肢の位置と足跡/頭骨の形と重点/肉切歯の大きさ/毛皮による判定)

  3. 犬と狼の混血種
    (犬と狼の友情/犬と狼の混血/ビュッフォンの研究/その後の研究と要約/多くの実例/近年の実験)

【第三章】日本狼の歴史 神狼から病狼まで
  1. 古代の狼害と狼の神格化
  2. 狼を祀る
  3. 白い日本狼
  4. 狼と山犬
  5. 狼保護の法令
  6. 病狼の発生
  7. 病狼の実例(農夫三人襲われる/橘南谿の誤聞/百姓与四郎の勇猛ほか7例)
  8. 狂犬咬傷の治療(民間の治療法9例/医家の治療法4例)
【第四章】狼狩の記録
  1. 江戸時代の狼狩(鉄砲/毒薬/落し穴その他/賞金/狼狩の模様)
  2. 狼を仕留めた話(老人が鎌で白狼を倒す/農夫の妻、槍で狼を刺すほか21例)
  3. 狼害と狼という地名(南部の狼害/狼という地名/近畿の狼害と地名)
  4. 狼の見世物
    (京都四条川原/ツンベルグの見聞/逃げた両国橋の狼/八王子で捕った狼の子/大山で捕った狼の子/湯島聖堂の博覧会/徳島の万国動物会/両羽博物図譜の記載/福井で脱走した狼/チャリネ曲馬団)

【第五章】狼の伝説
  1. 狼の姿態に関する伝説
  2. 狼の習性に関する伝説(送り狼/千疋狼)
  3. 狼の性質に関する伝説
  4. その他の伝説
【第六章】日本狼の形態
  1. 日本狼の特徴(テミンクの創見/マイバートの見解/ポコックの研究/日本における研究)
  2. 日本狼の大きさ
【第七章】日本狼の絶滅
  1. 滅びた二種の狼(エゾ狼の絶滅/日本狼の絶滅/日本狼絶滅の原因)
  2. その後の残存説(残存説の発生/残存説の実例13例/記録の総括---地域と動物の種類)
【終章】狼を飼った人々
  1. 狼を飼う
    (京都烏丸の人/吉野の老人/秩父の農家/在満の陸軍大佐/横浜の貿易商/シェパードの研究家/秩父宮殿下/三重県の農家/在満の陸軍少佐/在満の女流書家/著者)

  2. ジャッカルを飼う
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