序
まえがき
序章 1
1章 「バイオマス」の意味と価値
第一節 バイオマスの種類と特徴 6
第二節 化石代替エネルギーの主役としてのバイオマス 14
第三節 日本で見過ごされてきたバイオマス 25
2章 木質バイオマスを活用する
第一節 木質バイオマスで発電する 32
第二節 日本の都市は世界有数の「森林」 41
3章 農業残滓や農作物から液体燃料をつくる
第一節 農業系バイオマスの利用 51
第二節 もっとも即効性のある温暖化防止対策――エタノールの利用 54
第三節 エネルギー作物 63
4章 廃棄物は貴重なバイオマス資源
第一節 エネルギー源としての廃棄物の長所 71
第二節 生ごみのメタン発酵によるエネルギー利用 78
第三節 廃棄物からメタノールを製造するドイツの事例 81
第四節 生ごみから生分解性プラスチックをつくる 86<
5章 南の国のバイオマス利用
6章 自動車業界の植物繊維利用、「畑で採れるメルセデス・ベンツ」の進展
第一節 『アマゾンの畑で採れるメルセデス・ベンツ』 98
第二節 ドイツの畑で採れるメルセデス・ベンツ 105
第三節 南アフリカの畑で採れたメルセデス・ベンツ 115
第四節 日本の自動車メーカーの取り組み 128
7章 素材としてのバイオマス利用
第一節 シックハウス症候群を救う住建材としてのバイオマス製品 134
第二節 すでに市場に出ているバイオマス製品例 149
第三節 有望な作物として注目を浴びるヘンプ(大麻) 155
8章 森林などの「原産地」の管理費用をどう調達するか
第一節 動かなくなった日本の森林資源 169
第二節 「管理」を必要とする森林ほかの「原産地」 176
第三節 マネジメントコストをどう調達するか 184
第四節 バイオマスエネルギーの効果的な利用法 194
第五節 炭素クレジット制度の活用 208
9章 アグロフォレストリーにみる「バイオマス製品」と多様性の原則
第一節 アグロフォレストリーの効用 217
第二節 アグロフォレストリーから「バイオマス製品」をつくる 231
第三節 アグロフォレストリーから生まれるカフェインのないチョコレート 236
終章 バイオマス産業社会とは何か
第一節 「有機工産物」としてのバイオマス製品 239
第二節 ソフトな政策手段としての認証制度 247
第三節 「持続可能性」という価値を実現するバイオマス産業社会 257
第四節 「原産地」と「モノ」との関係を逆転させる 261
第五節 マネジメントコモディティを開発するという発想 270
あとがき 282
註
参考文献
索引
著者紹介
序文より |
熊崎実(筑波大名誉教授/岐阜県立森林文化アカデミー学長)
もう一つ重要なのは、生物資源(バイオマス)には必ず「原産地」があり、バイオマス利用はその原産地の持続可能性の問題と切り離せない、という視点である。
化石資源の大量消費がつづけば、環境が悪化し、資源自体もいずれは枯渇する。だから生物資源の利用を増やしましょう、というのでは単純に過ぎる。
再生可能なバイオマス資源が社会的にも生態的にも本当に再生可能な状態に置かれているかどうかが問題なのだ。一貫してこの視点に軸足を置きながら循環型社会の構築を模索しているところに本書のユニークさがある。
-----序文より抜粋
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